将棋を深めればサッカーもうまくなる!? サッカー少年・少女に知ってほしい将棋の文化
2017年07月11日
コラムサッカーにも取り入れたい将棋の「感想戦」
【G大阪のゲームメイカー遠藤保仁選手。少年時代には兄弟で将棋を指していた。(写真●Getty Images for DAZN)】
サッカー選手には『俯瞰的視野』と言われる、上からピッチを見ているかのような感覚でプレーをするタイプがいます。代表的な選手だと、ガンバ大阪の遠藤保仁選手や川崎フロンターレの中村憲剛選手がそうでしょう。実際の感覚はどうなのか。中村憲剛選手に聞いてみたことがあります。
「そう言ってもらえるのはうれしいのだけど、実際はこの両方の目で見ているわけだから視野は変わらないですよ。ただ視野に入ってきた情報を変換しながら、脳内では俯瞰して見ている感じになっているのかもしれないですね」
まるで盤全体を見て指している棋士のようですが、中村憲剛選手は将棋もオセロも苦手なのだと笑っていました。一方、遠藤保仁選手は、少年時代に兄弟で将棋を指していたそうです。柏レイソルの日本代表GK・中村航輔選手も将棋ファンを公言しており、盤上での駆け引きを、ゴール前での相手選手との1対1に生かしているのだとか。
実際に、将棋からサッカーにいかせる考えは多いはずです。
例えばサッカーではよく「ゴールから逆算する思考」が重要だと言われますが、将棋では“詰み”を見つける技術を鍛える『詰将棋』というトレーニング方法があります。
藤井聡太四段の圧倒的な強さの秘密には、幼い頃から詰め将棋をたくさん解いてきたことが一因とも言われています。将棋の強い人ならばアマチュアやプロを問わず、みな詰め将棋を解きますが、藤井四段はそのトレーニングの量とスピードがケタ違いで、トッププロも参加する『詰将棋解答選手権チャンピオン戦』に小学6年で優勝したほどです(現在3連覇中)。
サッカーで言えば、ボールを持てばゴールまでのイメージをすぐに描き、驚異的なスピードと高い技術でフィニュッシュまで持ち込んでしまうドリブラーのようなもの。詰将棋は、ゴールから逆算する思考法を身につける頭のトレーニングに最適かもしれません。
そして身につけて欲しい習慣に、将棋の『感想戦』があります。
感想戦とは、対局後に行う反省会のようなものです。盤上にある駒を動かしながら、映像を巻き戻すかのように指し手を再現し、「この手が良かった」、「あの手が悪かったのか」という検証を対戦相手として、お互いの意見を言います。そうやって改善点を見つけて成長につなげていくのです。
サッカーで言えば、練習の後にトレーニングメニューを思い出してサッカーノートを書く習慣に近いかもしれません。Jリーガーに聞くと、彼らはみな出場した試合の映像を見直して、自分のプレーをチェックする作業を欠かしません。将棋とは違い、対戦相手と『感想戦』をすることは難しいかもしれませんが、試合後はチームメートとの『感想戦』としてコミュニケーションを取って成長につなげていきましょう。
真逆の存在のように見えて、実は共通点も多いサッカーと将棋。
将棋盤と駒を持っていなくても、最近は無料でダウンロードできるアプリなどで気軽に対戦を楽しめます。「将棋って面白そうだけど、なんだか難しそう」と感じていたサッカーファンやサッカー少年のあなた。機会があればぜひ将棋に慣れ親しんでみてください。
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