日本と世界の少年サッカーの違い。日本の子どもは「コーチに従うだけ」「サッカーに時間を費やしすぎ」
2017年09月20日
コラムQ2
世界と日本の子どもでは生活面でどんな違いがありますか?
「日本の子どもたちは少し忙しすぎる」
海外と日本とでは生活のリズムが異なります。たとえば、ドイツでは小学校の授業が早く終わるため、子どもたちは早い時間からグラウンドに出てサッカーを楽しむことができます。夕方の5時にもなれば解散して、あとは家の中でのんびりとした時間を過ごすこともできるようです。食事や睡眠、そして家族との時間をゆっくりととることのできる理想的な環境だと思います。
それに比べると、日本の子どもたちは少し忙しすぎる気がします。学校が終わって、そのあとサッカースクールで夜7時過ぎまで教われば、家に帰るのは当然遅くなります。8時や9時になってからご飯を食べたりお風呂に入ったりすると、すぐに寝る時間がやってきます。これでは、ゆとりのある時間を過ごすことなどできるはずはありません。
サッカーのトレーニングにしても、日本の子どもたちはオーバーワークというくらいの練習をしています。週7日あったら週8日から9日やっているような、四六時中、サッカーに時間を費やしているイメージがあります。
南米の子どもたちのように、自分たちの遊びの延長として自由にサッカーを楽しんでいるのであれば問題もありませんが、いつでも誰かに教わっているとなると、精神的に余裕がなくなってしまいます。
同じ時間の過ごし方でも、遊びの中からサッカーの要素を見つけるのと、指導者に従ってトレーニングをやらせられているのとでは、負荷が全然違ってくるからです。自分だけでやるのであれば負荷を抑制することもできますが、指導者がついていれば練習メニューに従わなければならず、もっと走れと言われれば、自分の限界以上のことでもやらなければいけなくなります。そう いう環境が毎日続くとなると、精神的にも肉体的にも過剰な負担となり、しまいにはサッカーに対して拒絶反応を起こしてしまう危険性もあります。
保護者や指導者など、ジュニアサッカーに関わる大人が役割として忘れてはいけないのは、子どもたちがサッカーを好きになるような環境をつくってあげることだと思います。子どもたちは良くも悪くも大人が作る環境に染まってしまいます。
欧州での環境面の例として、サッカークラブを中心とした町づくりがあります。創立100年以上のクラブなどもあって、町の人々が自然に行き来することのできる生活の一部となっているのです。子どもたちはサッカーを習いに行くというのではなく、みんなが一緒にサッカーを楽しむという感覚でグラウンドに集まってきます。小さいときから自然にボールと触れ合うことができ、大人になってからも、いつでも戻ってこられる場所になっているのです。そんな環境があるのは精神的にもいいことだと思います。
今後、欧州のように、しっかりとしたクラブ文化が根づく環境を整備していくことは、子どもたちの可能性をひろげることにもなり、将来的に、日本のサッカーが欧米のサッカー大国と肩を並べることへと繋がっていくのではないでしょうか。
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