中村敬斗が発信する危機感。「このままでは食われる」。“利他のエース”が促す意識改革

2017年10月17日

サッカーエンタメ最前線

U-17日本代表は、現在インドで開催中のU-17W杯で決勝トーナメント進出を果たした。しかし、この先は茨の道。次なる対戦相手のイングランドは大会屈指の実力を誇る優勝候補である。負けたら終わりの大一番を前にして、ここまで4得点を挙げている中村敬斗はプレーと言葉でチームに奮起を促していた。

取材・文●取材・文:舩木渉【コルカタ】写真●Getty Images 


KOLKATA, INDIA - OCTOBER 14: Keito Nakamura of Japan celebrates a scored goal against New Caledonia during the FIFA U-17 World Cup India 2017 group E match between Japan and New Caledonia at Vivekananda Yuba Bharati Krirangan on October 14, 2017 in Kolkata, India. (Photo by Buda Mendes - FIFA/FIFA via Getty Images)
【中村敬斗はここまで全3試合に先発出場している日本唯一の選手。第1戦ではハットトリックも達成した】

インド人もびっくりの大活躍。注目度は久保に匹敵

 インドで取材をしていると、地元の記者に囲まれて質問攻めに遭うことがある。「アジアで最も強い国だから」という理由で、インドメディアがU-17日本代表の練習に数十人規模で押し寄せるのには驚いた。

 しかし、彼らからの質問はピッチ内での事象からかけ離れたものが多く、「Jリーグはいつ開幕したんだ?」「中田英寿は今何をしているんだ?」といった内容。選手には「キャプテン翼を読んだことはあるか?」「インドでの生活はどうだ?」といった質問が飛ぶ。

 そして、中でも最も多かったのが「久保建英は『ジャパニーズ・メッシ』と呼ばれているようだが、彼の評価は?」という問いである。グループステージを終えても同様の質問は絶えないが、その流れが変わったのが8日のU-17W杯グループステージ初戦・ホンジュラス戦後のことである。

 日本が6-1で大勝した試合で、もちろん久保も活躍したが、それ以上のインパクトを残したのが中村敬斗だった。ハットトリックを達成したアタッカーについて、ホンジュラスの監督も「久保以外にあれほどのFWがいたとは…」と驚きを隠せない様子だった。

 インド人記者たちも、しきりに「中村とは何者だ?」「中村はどこでプレーしている?」「中村は日本で有名なのか?」と、日本人記者たちに迫るようにして情報を求めてきた。

 それらの問いに答えるとすれば、中村は現在のU-17代表のエース格であり、ずっとそのチームとともに歩んできた選手である。そして21人の日本代表の中で唯一Jリーグクラブの下部組織以外から選ばれた選手でもある。

 ハットトリックを成し遂げて「正直驚いていますし、やっぱりチームでずっと頑張ってきて、ずっと長い代表活動をやってきて、この大舞台でハットトリックできたのは最高です」と喜びを語っていた中村は、開幕戦の前にこんなことを話していた。

「個人としては世界に打って出るというか、いい意味でアピールできる場なので、いいプレーをして、ちょっと目をつけてもらえたらいいかなと思います」

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