リケルメが真剣勝負のなかでも”遊び心”を持つ理由

2018年01月24日

コラム

高校時代にマラドーナに憧れて、夏休みにボカ・ジュニアーズへ留学。卒業後にプロ契約を結び、その後、アメリカやペルー、日本では栃木SCなどでプレーした亘崇詞氏。ボカ・ジュニアーズ時代には、バルセロナなどでも活躍した元アルゼンチン代表、フアン・ロマン・リケルメ氏と一緒にプレーをしていました。試合中に「トリッキー」なプレーをすることで知られているリケルメは真剣勝負のなかでも”遊び心”を持っています。その理由をジュニサカでもおなじみ亘崇詞コーチの監修の『サッカーアルゼンチン流 個人スキルバイブル』から紹介します。


BERLIN - JUNE 30: Juan Riquelme of Argentina surges forward under pressure from Miroslav Klose (L) and  Torsten Frings of Germany during the FIFA World Cup Germany 2006 Quarter-final match between Germany   and Argentina played at the Olympic Stadium on June 30, 2006 in Berlin, Germany.  (Photo by Shaun Botterill/Getty Images)
(写真●Getty Images)

仲間たちを勇気づけることができる

 ボカ・ジュニアーズに所属していた当時の僕は、トリッキーなフェイント技をやるのが得意でした。そのときのボカには下の世代にリケルメがいて、僕が練習後にトリッキーなフェイント技をやるとすごく喜んでくれたのです。リケルメはそういった技を一生懸命練習して試合でもやろうと目を輝かせていましたね。

 アルゼンチンリーグは一試合一試合の重みがのしかかってくるタフなリーグです。その中でも遊び心を持ってやっているんだなあと、当時の僕は感心していました。日本でもフェイント技をよく練習することがありますが、なかなか試合でトライすることはありません。

 でも、真剣勝負の中で追い込まれてしまったときに相手を煽るようなトリッキーなプレーができれば、下を向いている仲間たちを勇気づけることもできるし、スタジアムにいる誰もがやらないと思っているときに技が決まったときの拍手はすごいものがあります。

 そのために日頃から練習をして試合のために準備しておくのです。そう、リケルメが練習でトリッキーなプレーに没頭する様子にはそんな背景もあったのです。南米ではサッカーに対する考え方の違いや余裕のあり様をまざまざと感じましたね。


 

プロフィール
亘 崇詞(わたり・たかし)
1972年、岡山県出身。高校時代にマラドーナに憧れて、夏休みにボカジュニアースへ留学。卒業後に単身アルゼンチンに渡り、ボカジュニアースとプロ契約を結ぶ。その後、アメリカやペルーでプレー。現在は「fanatico futobol club」代表。CSの人気サッカー番組「FOOT!!」や南米サッカー中継などで解説者としても活躍中。南米サッカーの哲学をトレーニングとともに学ぶ!! 亘崇詞さん監修の『サッカーアルゼンチン流 個人スキルバイブル』も好評発売中。

 


 

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