全少で「サッカー人生最悪のミス」をした少年のその後

2018年06月04日

サッカーエンタメ最前線
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大宮アルディージャジュニアのエースは昨年12月の下旬に行われた「全日本少年サッカー大会」の準決勝で「最悪のミス」をした。彼は全少でのミスをどのように捉えていたのか。5月中旬に行われた「関東ユースU-13リーグ」に出向き、ジュニアユースへと昇格した彼の元を訪ねた。

取材・文●中澤捺生 写真●佐藤博之


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サッカー人生最悪のミス

「これは、サッカー人生最悪のミスでした…」。

 5月12日(土)に行われた「関東ユースU-13リーグ」大宮アルディージャJr.ユース(以下、大宮)と鹿島アントラーズJr.ユースの試合後、大宮のFW石川颯選手に、あるシーンの動画を携帯で見せると、そのような声を漏らしました。

 冒頭で石川選手が述べた「サッカー人生最悪のミス」は昨年12月終盤に鹿児島で行われた「第41回全日本少年サッカー大会」準決勝、大宮と北海道コンサドーレ札幌U-12(以下、札幌)の試合で起こりました。

 石川選手は準決勝までの5試合で6ゴールをマーク。準々決勝の西宮SS(兵庫県)との一戦では古川大洋選手のクロスを豪快なボレーで決めるなど、大宮の”エースストライカー”として攻撃を牽引していました。

 当時、ジュニアを指揮していた森田浩史氏は(現:大宮アルディージャJr.ユースコーチ)「サイズもあって前線でボールを収めたり、ターゲットになったり、技術的にも悪くないものを持っています。コントロールをしてキープすることもできます。非常にまじめで、献身的な所もあって、守備の面でもチームに貢献してくれています」と石川選手を称賛していました。 

 決勝戦進出を懸けた準決勝は、コーナーキックから札幌がゴールを奪い1点リードで前半を折り返します。すると後半、大宮は同点に追いつこうと怒涛の攻撃を仕掛けました。そして、試合終了間際の後半18分(試合形式:前後半20分ハーフ)に、この試合最大の決定機が訪れます。

 ボールを奪った大宮のDFが右裏のスペースにロングボールを入れると、俊足の古川選手がドリブルで札幌のDFを一人剥がして、ペナルティーエリア内に侵入。なかで完全にフリーになっていた、9番・石川選手にグラウンダーのクロスを上げました。

 あとは、石川選手がゴールに「流し込むだけ」という状況。ゴール裏で試合の戦況を見つめていた私も「決まった」と確信していました。しかし、石川選手は右足でボールをミートすることができず、左足のすねにボールが当たり、バーを大きく超えていきました。

 試合を大きく左右する決定機を逃した石川選手はうつ伏せになって、ピッチを叩きました。なかに走り込んでいた種田陽選手とクロスを上げた古川選手は虚しい表情で空を見上げ、主将のDF真壁拓海選手は、その場で倒れ込み仰向けになって顔を手で覆います。森田氏は地団駄を踏んでいました。ベンチも含めた大宮の選手全員の悔しそうな表情やアクションがミスの重大さを物語っていました。

 結局、最大のチャンスを逃した大宮は同点に追いつくことができず、札幌に敗れて準決勝敗退となりました。チームが掲げていた「優勝」という目標を達成することができなかった選手たちは、試合後、悔し涙が止まりませんでした。

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