日本サッカーのレベルアップには何が必要か? スペインに学ぶ5つの「戦術意図」
2018年07月11日
サッカー練習メニュー日本サッカーのレベルアップには何が必要か?
続いて「そのモーメントにおいて戦術的意図は何か?」を設定し、その意図を達成するに当たってのチーム/グループ/個人の戦術アクションはそれぞれ何で、その中からどこにフォーカスを当て、コーチングするかを絞ることが可能になります。実際にトレーニング計画を練る場合には、ウォーミングアップから最後のメニューへ移行するにつれてプレーモデルを含むコンテクスト(※コンテクストとは試合の状況、ソーン、エリア、システムなどを指す)がある状況が濃くなっていくはずです。
これまで日本のサッカーはコンテクストが含まれない状況下でのテクニックアクションによる反復で、世界でも稀に見るくらいボール扱いに長けた選手たちが育ってきました。これは紛れもなく日本サッカーにおける財産の1つで、国外のサッカー関係者も高い評価を下しています。
日本サッカーがさらに飛躍するためには、そのハイレベルなボール扱いを試合における戦術的意図、プレーモデルの中で個人戦術とリンクさせて発揮できるよう仕向けていくことが必要となります。
戦術アクションの習得は、テクニックアクション習得の後に行うわけではありません。テクニックはあくまで戦術的意図を実現するための道具ですから、あるプレー状況下に選手を置いてあげさえすれば、自然とボールにタッチすることになり、テクニックは向上します。
テクニックや個人戦術を習得するにあたり、試合のどの状況(フェーズ/モーメント)で何の戦術的意図のためにそのアクションが必要なのか?という考え方をすると、トレーニングでコンテクストが含まれるトレーニングが「試合に使えるテクニック」を効果的に習得するメソッドだということを理解してもらえると思います。
トレーニングを構築する際には、以下のことを考慮すると良いでしょう。
●戦術意図は何がテーマとなるのか?
●その際に必要なチーム・グループ・個人戦術アクションは何か?
●必要なキーファクターは何か(状況の解決策)?
この3つをしっかりと抑えておけば、集団・個人の戦術アクションを獲得するためのトレーニングの準備は「できている」と言っていいでしょう。
<関連リンク>
・反復練習に時間を費やす必要はない。 戦術理解を養う「止める・蹴る」の指導法とは
坪井健太郎(つぼい けんたろう) CEエウロパユース第二監督
1982年、静岡県生まれ。静岡学園卒業後、指導者の道へ進む。安芸FCや清水エスパルスの普及部で指導経験を積み、2008年にスペインへ渡る。バルセロナのCEエウロパやUEコルネジャで育成年代のカテゴリーでコーチを務め、2012年には『PreSoccerTeam』を創設し、マネージャーとしてグローバルなサッカー指導 者の育成を目的にバルセロナへのサッカー指導者留学プログラムを展開中。また、森亮太氏と共著で『誰にでもわかる サッカー説明書 ~スペインサッカーを日本語に具現化~』を電子書籍出版。著書に『サッカー 新しい攻撃の教科書』、『サッカー 新しい守備の教科書』(小社刊)がある。
【商品名】サッカー新しい攻撃の教科書
【価格】1,728円(税込)
【著者】坪井健太郎
【構成】小澤一郎
戦術大国スペインから学ぶ“攻撃”の最新メソッド
「カウンターアタック」と「組織的攻撃」
2つの攻撃戦術を正確に理解する!!
スペインで体系化された理論をもとに、現地スペインで指導をする坪井健太郎氏が、原理原則からトレーニングの応用方法までわかりやすく解説。多様化した戦術を構成する攻撃の原理原則を深く知ることが、日本サッカーを大きく変える!
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカ公式Instagramはこちら
>>ジュニサカ公式Youtubeチャンネルはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!2024.11.14
- 「Jヴィレッジチャレンジ 2024 powered by シント=トロイデンVV」が開催!2024.11.14
- U-19日本代表、メキシコ遠征参加メンバー発表。湘南ベルマーレ・石井久継も選出で10番を背負う!2024.11.08
- 「U-16日本代表候補 国内トレーニングキャンプ」参加メンバー発表!2024.11.07
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- 関東選抜メンバー発表!【関東トレセン交流戦U-15】
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 「2023ナショナルトレセンU-13 関東」参加メンバー発表!
- ビルドアップ能力を自然に高めるスモールサイドゲーム。スペインで行われるトレーニングデザインとその意図とは
- 「もも上げクランチ」でキック力を鍛える!/【サッカー専用】小学生のための体幹トレ
- 「JFA 第42回全日本U-12サッカー選手権大会」で輝いた8人の選手たち/ジュニサカMIP
- 「フットサルって足下がうまくなりますよね」。それだけじゃないメリット “重要な決断” が繰り返される価値とは【8月特集】
- すぐに「痛い」と言い出す息子…。