「運動で必要なのは身体と筋肉だけ」は誤解。スポーツ科学の第一人者が語る”脳”を鍛える必要性
2018年09月23日
コラム
即座の習得を可能にする「ゴールデンエイジ」
6〜8歳は、神経型の発育が完了する、重要な年代「ゴールデンエイジ」です。プレゴールデンエイジで触れた動きの習得が完成し、よりレベルアップする時期ともいえます。ゴールデンエイジでは、新しい動作の習得が早くなり、一度見た動きをすぐにマネしてできるようになるなど、「即座の習得」が可能になる時期でもあります。
ここで習得した力は、脳にしっかりと記憶されます。何十年後にその記憶を取り出したとしても、そのままの形が保たれているだけではなく、応用して取り出すこともできる優れものです。
例えば、よくキャッチボールをしていた子どもが、大人になってテニスを始めるとしましょう。動作を繰り返しているうちに、脳は「かつてやったボールを投げる動きと似ているぞ」と判断し、キャッチボールで習得した動きのパターンをテニスのサーブの動作に応用し始めます。すると、「初めてやったのにうまい」「人より上達が早い」といった現象が起き、これが「テニスのセンスがある」という評価につながります。
小学生の習い事として人気を誇るもののひとつに「水泳」がありますが、小学生のころに泳げた人は、大人になっても泳げるものです。社会人になって「最近、運動不足だからプールにでも行くか」と、何十年ぶりに水着を着たという人でも、体力の低下こそあれ、泳ぐ技術そのものは衰えていないはずです。
ゴールデンエイジの間の動きの習得は一生使える宝物であり、逆にいえば、このときに身体を使うチャンスを逃してしまった人は、大人になってからの動きの習得に大変な努力が必要になるということです。
<プロフィール>
深代千之(ふかしろ せんし)
1955年生まれ。東京大学大学院・総合文化研究科・教授。東京大学大学院・教育学研究科博士課程修了、教育学博士。(一社)日本体育学会会長、日本バイオメカニクス学会会長、国際バイオメカニクス学会元理事。スポーツ動作を力学・生理学の観点から解析し、動作の理解と向上を図るスポーツ科学の第一人者。
【商品名】子どもの学力と運「脳」神経を伸ばす魔法のドリル
【著者】深代千之
【発行】株式会社カンゼン
四六判/208ページ
価格:1,620円(税込)
☆6歳~12歳こそ、「運脳神経」を伸ばす適齢期
身体を動かして、脳にたくさんの神経パターンの引き出しを作る力。これを「運脳神経」と呼んでいます。
運動神経ではなく“運脳”神経という造語で表現するその定義は、「思い通りの身体の動かし方を身につけるための脳と身体の協調性」です。脳と身体の“協調性”は6歳~12歳の間に磨くのが最適です。本書で取り上げた7つの動き40のドリルを参考に「運脳神経」を伸ばしてください。勉強も運動もできる、スーパーキッズの土台を築くことができるはずです。
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