その練習試合、本当に必要ですか? 「育成」とは何か/指導者座談会4【9月特集】
2018年09月28日
未分類チビリンの「3ピリオド制」も課題が多い
末本「Tリーグはみんな試合に出ていますか?」
小嶋「やはり試合に出られる選手は限られているのが現状です。点差がついてから出場させるパターンが多いです。なので、うちはスタメンの子をできる限り入れ替えるようにしています。試合に出られていないメンバーの保護者からの不満もあるかと思いますが、試合に出場しているメンバーの保護者からの意見もあります。それは『なぜベストメンバーで組まないのか?』、と。前者は昔から、どのチームでもある意見だと思いますが、後者の意見は2、3年前から少し耳にするようになりました」
末本「それは『あなたが決めたベストメンバーでしょ』ということですよね(苦笑)。私たちのクラブでは、過去危機感を覚えた時がまさにそのような保護者が出てきた時でした。『これではダメだ!』と思い、クラブとしての方向性を変えていきました。
データとしては、その学年以下の会員の数は減っていました。クラブとしては結果が出始めていて、本来ならば『会員数が増えていてもおかしくないのにな』とギャップを感じていたところでした。そういう現実を見て、あらためて『育成クラブとしての在り方』を考え直し、在籍する全ての選手たちが試合に出場できる機会を作るようにシフトしていきました」
小嶋「以前にも、そういう空気が流れた時があったんです」
南里「今、小嶋さんのFC大泉学園はクラブとして勢いがあるし、いい結果が出ているからですよ」
末本「きっと、間違いないです」
小嶋「選手の試合出場機会でいうと、チビリンピックはなるべく多くの選手を試合に出場させるために、登録した16人が試合に出られるようにしたと思うんです。
でも、なぜ16人以上が試合に出場してはダメなレギュレーションになっているのかが疑問です。U-11プレミアリーグは問題ないのですが、10月の5年生対象の都大会も3ピリオド制です。当然、チビリンの全国大会につながっているからなのでしょうが。
うちは1ピリオドと2ピリオドで全員交代しても、メンバーが20人います。そうすると、現状のチビリンのルールだと、最初に登録した16人しか試合に出られないから全員を試合に出すことができません。正直、14人目以降に選ぶ選手は実力差がそこまであるわけではないので、私たちは全員を試合に出してあげたい!その方が保護者も嬉しいと思いますから。なのに、どうして16人しかメンバー登録ができずに出場できないのかがわかりません」
中澤「チビリンは16名以上18名以下の登録です。ベンチには18名いても、試合出場は16名しかできないルールなんです。私は全国大会しか取材していませんが、残り2名はみんなのサポートをしたり応援をしたりしている状況です」
小嶋「ワンポイントの起用でもできるのなら、今は少し実力的に劣る子でも『頑張って』と声をかけて試合に出せるのですが、3ピリオド制は逆に揉めるんですよね。『8人制だと試合に出られないけど、16人まで枠が広がればうちの子も出られるだろう』と保護者も思ってしまいますから」
南里「心が痛いですよね」
高橋「チビリンの全国大会につながる5年生対象の都大会は、16人までしか試合に出場できないということは16人ぴったりで戦うわけですよね」
小嶋「はい。ただ都大会は20人全員がベンチには一応入れるのですが、出場できる選手は16人までです。でも、数多く出場させる分には別に問題ないと思うんです。
どのクラブも8人だけでチームを作っているわけではないでしょうし、チーム作りの理想は、誰が出場しても戦力が落ちない13人くらいの選手がそろっているチームが強いと思いますから。そこから3ピリオド制でチーム構成をすると、3、4人を足すことになります。
すると、強いチームにするために、下の学年の実力のある子たちを出そうとするチームがあるわけです。そうなると、16人が試合に出られると期待した5年生の保護者は『うちの子じゃなくてそっちから来るんだ』と落胆されてしまいます」
末本「東京は1クラブから2チームが出場できないんですか?」
小嶋「人数がいればOKです。でも、ベンチにいる指導者が同じではいけないんです」
南里「指導者の人数が確保できてないと難しいんですよね」
小嶋「さらに有資格者がいないといけないんです。東京は3年生大会も始まったのですが、そこもベンチにいる指導者は全員が有資格者として登録しないといけません。チビリンについては、ルールが曖昧に感じます。16人しか登録できないんですが、1ピリオド目でケガをしたら2ピリオド目の選手を補充して全選手が出場していればいいというように。それなら20人みんなが出れるようにした方がいいと思うのですが…」
高橋「変な話ですが、すごく深読みすると、協会サイドが出場した選手の数を数値として発表したいみたいな裏が見え隠れしますよね」
【FC大泉学園代表・小嶋快氏】
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