テクニックの使い方を知らない日本人選手。技術ばかりを磨く育成環境に疑問
2018年09月29日
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技術をどう使うかという基本的な考え方が欠落している
近年までは、その理由をフィジカル面のハンデに求められることが多かった。
日本のテレビコメンテーターは今でも、サムライブルーの勇敢な戦士たちが立ち向かう相手の多くが、ことごとく彼らより体格に優れていることを強調し続けている(「ベルギーの平均身長は日本より6センチも高いんです!」と)。確かに高身長はセットプレーにおいてやや有利ではあるが、この誤った考えは捨ててしまった方がいい。マリオ・ゲッツェ(176センチ)やネイマール(175センチ)、リオネル・メッシ(170センチ)といった選手たちを思い出すだけでも、最大の舞台で成功を収めるうえで、体格の不利が必ずしも障害にならないことは理解できる。
では、若くして際立った活躍を見せた選手が、プロとしてさらなる栄光を手にするうえで何が起こっているのか、あるいは何が起こっていないのか。ゲルト・エンゲルス氏は、成長段階のごく初期に積み上げられたブロックにこそ、そのカギがあると考えている。2018シーズンよりヴィッセル神戸でヘッドコーチを務めるエンゲルス氏だが、その職務が始まる前、ドイツ滞在中に筆者の取材に応じてくれた。
「日本のU-14 、U-15 、U-16 までのチームは非常によい。特に技術面に優れている。その理由は間違いなく学校やクラブ、特に学校の組織がドイツや欧州とは異なっている部分にある」。横浜フリューゲルス、ジェフユナイテッド市原、京都サンガ、浦和レッズの元指揮官はそう語った。
「チームに参加しやすく、毎日練習することができる。たとえば技術的なプレーを教えるのはごく簡単なことだ。まだ勝ち負けにこだわるわけでもなく、戦術や1対1が重視されるわけでもないからだ。大勢の子どもがいて、毎日そうしていれば、日本では大きな成功を収められる」
「だが、そうしているうちに、試合の感覚を失うこともある。ドイツや欧州では、教えることではなく、勝つことに集中しすぎる指導者が大勢いてよくないと言われている。日本ではおそらく正反対なのだろう。教えることに専念するあまり、試合の感覚、2つのゴールの間でプレーすることを忘れている。それが日本の育成システムの大きなポイントだと思う。楽器を演奏できる音楽家は大勢いても、楽団の中で演奏できる者がいない」
クライフターンを完璧に実行したり、コーンの間をミスなくドリブルしたり、ときには数分間もボールを持ち続けたり。そういった足元でのボール扱いの技術を磨くことに集中するあまり、なぜ、そういうプレーをするのかという〝理由〟が疎かになったり、完全に忘れ去られてしまうケースも多い。
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