地方クラブの現状を探る。今、何が問題になっているのか?

2018年10月11日

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【大虫フットボールクラブは昨年、鹿児島で開催された全日本少年サッカー大会に初めて出場した】

遠征をしないと拮抗した試合環境がつくれない

――大虫は昨年、初出場した全日本少年サッカー大会で優勝を飾ったセレッソ大阪(0-6●)と予選で対戦しました。そのセレッソ大阪は優勝を飾りましたね(笑)

「セレッソ大阪の選手は本当にミスが少ないです。6点差つきましたが、全国の頂点を目指しているチームと福井県で頂点を目指しているチームの差だと思います」

――個人的に感じたのはルーズボールのときのデュエルです。セレッソ大阪の選手は果敢にボールに飛び込んでいったのですが、大虫の選手は少しびびっていたのか、立ち止まってしまい、ボールを相手に渡してしまっていました。そこはどう感じましたか?

「その通りです。多分ですが、福井県大会の試合だったらルーズボールに対しても体をガンガン寄せてボールを奪いに行っていると思います。セレッソ大阪というネームバリューに少し怖気づいたのではないでしょうか。Jリーグの育成組織に入るほどの選手は、顔つきが大虫の選手と違うと感じました。大虫の選手は顔つきが優しい。本気でプロサッカー選手を目指してJクラブの育成組織に入団した選手となんとなく地元のサッカークラブでプレーしている選手とでは目つきが違いましたね。それだけの経験や努力を積みあげて苦労してきたんだと思います。小学生ながら顔にでていました」

――セレッソ大阪との試合が終わったあと大虫の選手は何か言っていましたか?

「選手は『本当に何点取られるかは分からなかった』と言っていました。これだけの大差がついしまった原因は全国大会に出場して目標を達成してしまったことでモチベーションが低下してしまったことです。初の全国大会だったこともあり、指導者も嬉しくなって気が緩んでしまいました。強豪クラブが軒並み揃っていて、くじ運が悪かったことも予選敗退の要因かもしれません。でも、東京都代表や大阪府代表との対戦は経験できることではありません。だから、本当に鹿児島に行けて良かったと今も感じています」

――U-10・U-11・U-12の部で県大会を制し、全日本少年サッカー大会に出場するなど大虫は福井県を代表するチームに成長していきました。チーム強化のために拮抗した試合環境を作ることは欠かせません。そこはどうしているんですか?福井県のリーグ戦はヒエラルキー化ができていません。

「福井県内のクラブでいえば隣の鯖江市で活動している立待FCとナイターで試合をするときがあります。あと、拮抗した試合環境を作るために県外遠征をしています。今年だと、石川、滋賀、岐阜、三重、大阪などに行っています」

――JFAが主催するリーグ戦が軸になりますよね。それに加えて越前市のカップ戦もあります。

「リーグ戦やカップ戦をベースにしてその間に県外遠征を入れています。この間は大阪遠征に行きました」

――遠征はどのぐらい行きますか?

「多いときで月に3回程です。今月は法人会のカップ戦で優勝したので、その北信越大会があります。あとは新潟県であるカップ戦にも参加します。その大会は仲が良かった人に招待を頂きました。あとは石川県のチームとの練習試合を組んでいます」

――遠征が多いのは昔からですか?

「いいえ、最近になって途端に増えてきました。全日(全日本少年サッカー大会)に出場したからです。県外のチームから誘われることが急激に増えました。たくさんメールがきたり、電話が掛かってきたりします」

――都会のクラブだとチーム数も多く同レベルのチームがたくさんあります。例えば東京都だとジュニアチームだけで800~900程のクラブがあり、遠征をしなくても近郊のチームと試合をしてチームの強化が図れます。でも福井県だとそもそもチーム数が少ないのが現状です。JFAが主催するリーグ戦も1部、2部とヒエラルキーになっているわけではありません。県外に遠征しないと拮抗した試合環境を作ることができないのが今の大虫の現状でしょうか?

「そのとおりです。やはり県外に遠征しないと拮抗した試合はできません。JFA主催のリーグ戦以外は県内同士で試合をすることはほとんどありません。県内のリーグ戦以外で試合をするのは立待FC、昨年、バーモントカップの全国大会に出場した高椋SSSくらいですね」

――それだけでは物足りないから、リーグ戦や市内のカップ戦が無い土日は大阪、岐阜、三重、滋賀、石川…と県外遠征をして試合経験を積んでいるわけですね。

「関西のチームはえげつなく強いじゃないですか。やはり拮抗した試合をしたほうが選手の成長も感じられます。お金も時間も取られますが、それ以上の経験値を得ることができます」

――8月にトレセン研修会を取材しました。そのときに地方クラブの指導者が「金銭的な負担が大きく保護者からの反対の声もあるのであまり遠征に行くことができない」と話していました。大虫は多くの遠征に行っていますが、金銭的な問題はどうしているのですか?

「毎年『コンフェデ大虫』という大虫が主催する大会を開いています。そこで指導者や保護者が広告を取ってきて収入を得て、それを遠征費に回しています。例えば、高速代やガソリン代、その他遠征にかかる費用を団費から回し、保護者の金銭的な負担を減らすようにしています。『コンフェデ大虫』を開催する理由としては、選手を育てるだけでなく、団費を得るためでもあります。主催大会を開いて、広告を集めて収入を得ることは子どもの成長のためでもあります。だからそういった取り組みは重要です。逆にそれをしないとクラブを運営できなくなるし、保護者の方の金銭的な負担も大きくなります」

――クラブの月会費はいくらなんですか?

「高学年は3000円で低学年は2000円です。その月会費はナイター代や保険代に回しています。余った分は遠征費に回しています。指導者だけでなく保護者と一緒にクラブを運営していっています」

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