なぜ、正しい「姿勢」や「体の使い方」がサッカー選手に必要なのか?

2018年12月24日

コラム

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「良い姿勢」は良いサッカー選手に不可欠

――松井さんのもとを訪れる選手はどの競技が多いのですか?

松井「サッカーが多いです。他競技の方もいますが、中には自転車競技の選手もいます。自転車は腰を丸めて足を動かして漕ぎますから太ももに相当な負担がかかります。だから、背中を使って漕ぐ方法を指導しています。

 するとその選手は「足の負担がすごく軽くなった」と言っていました。自転車競技の選手が行う筋トレはレッグプラスでどれだけ筋力を上げていくかというトレーニングです。

 個人的には、足の筋肉を鍛えるだけでは限界があると考えています。なので、自転車の乗り方を考える必要があると思っています。足だけで漕ぐのではなく、背中側も使う。そうすると、最後のもがきで追い込むことができると感じています」

――記録は伸びていますか?

松井「先日は大会で優勝しました。三十半ばの選手ですが、自転車競技の選手寿命は四十歳くらいでも問題ないそうなので選手寿命は長くなるのかなと思います」

――最後の追い込みができるくらいまで力を温存できたわけですよね?

松井「その選手はウェイトを止めたそうです。様々な部位にアプローチすべく、足らない部分だけを狙ってスクワットするなど単なる筋力アップから体全体を連動させるアプローチに変えたそうです。すると落車しても受け身を取れるようになった、と」

――力の連動が意識できると、きちんとした受身(倒れ方)もできるんですかね?

松井「自転車競技にもぶつかり合いがあります。体が相手とコンタクトする際には、背骨を使ってしなやかにぶつかった方が強いんです。いずれにしろ、体を『ニュートラルな状態』に保っておけることが重要です。

 細かく言えば、ハンドルの握り方も関係してきます。ギュッと握れば体全体が硬直しますが、卵を握るようにソフトにハンドルを握れば筋肉に極度の緊張感を与えることなく、状況にあわせて柔軟に対応することができます」

――以前の取材で言われていた屈筋伸筋が関わるわけですね?

松井「トレーニングをする時も筋肉を締めるだけではなく、少し『緩める意識』があるとぶつかり合いのショックにも、体がうまく受け流してくれます。やはり日本人は体のつくりが骨盤の立つ状態ではありませんから、意識することが大切です。日常生活の中で意識して骨盤を立たせるように座るとか、それだけで良い姿勢を習慣化できます。

 私も自分の子どもに『姿勢』のことを話します。走る時も蹴る時も、ご飯のときも、子どもはマネをするので、まずは身近な私自身が正しい姿勢を意識して保つように心がけてます」

――3月の「キリンレモンカップ」で中井卓大選手のプレーを見て、湘南ベルマーレの曺貴裁監督が「いい姿勢でプレーしている」と指摘していました。

松井「周囲の選手たちが良い姿勢でプレーしたら自然にそうなります。正しい姿勢でぶつかり合いをしていないと身につかないし、レアル・マドリーのようなクラブでは戦っていけないです」

――中井選手の視野が広いのはそこにも通じているのかな、と。

松井「ボールを受けることが多い選手は正しい姿勢が大事です。周囲の状況を把握(認知)し、判断することが求められるからです。良い姿勢が『サッカーにおけるスピード』につながっていくと考えています」

――姿勢がいいということは目に入ってくる情報量も多い。

松井「その通りだと思います。体力の消耗の少ないですし、そこには判断も含まれます。今日本は少子化で親の子への期待は大きくなっています。ケガをしたり、あれっ?って思った時でも間に合います。キチンと治療して、今後のケアをしていけば、まだまだ間に合います」

――メディアとして伝えるべきことは、テレビゲームの制限はあるのに、どうしてサッカーの活動量は制限しないのかということ。そして、サッカーはボールを扱う前に体を使うスポーツだということ。頭を使うスポーツだからこそ正しい姿勢や正しい動きが必要だと発信しなければいけません。今日は長い時間ありがとうございました。


<プロフィール>
フィジカルコーディネーター 
松井 真弥(まつい しんや)

スペインで10年、日本で3年、プロのサッカークラブでトレーナーを務める。帰国後は鍋島整形外科で体の使い方によるスポーツ障害の減少・パフォーマンスアップ、さらに健康維持等の指導、操体法による体のケアを行う。不定期で「足に負担をかけない動き方・体全体を使った動き方」などの講習会を開催。

▼経歴
2000〜2010年 RCDエスパニョール・トレーナー(スペイン1部リーグ)
2011〜2014年 ベガルタ仙台・トレーナー
2014年〜 鍋島整形外科(千葉市)
2018年〜 幅広い分野での活動を目指し、「EL CUERPO治療室」を設立。現在は順天堂大学サッカー部トレーナーとしても活動し、他にも2校のフィジカルアドバイザーを務める。動き作りの個人指導、チーム指導も行う。

▼ホームページ
https://elcuerpo.net/


 

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