シャビは考えながらプレーしていない。判断スピードを上げるためには目と脳を鍛える
2019年03月10日
コラムある脳の分析によると、「シャビはひとつひとつ考えながらプレーしているのではなく、記憶しているパターンを瞬時に引き出している」ことがわかったという。そして、蹉跎伊加賀蹴球団で代表を務める永山宜真さんは「速読とサッカーは脳の使い方が似ている」と話します。今回は、速読とサッカーの動きの共通点をテーマに、『速読トレーニングで磨く スポーツの判断力』から一部抜粋して紹介します。
著●石井真 イラスト●寺崎愛 写真●GettyImages
『速読トレーニングで磨く スポーツの判断力』より一部転載
シャビの判断スピードが早い理由
クラブチーム「蹉跎伊加賀蹴球団」では、速読トレーニングによって、判断スピードが上がったとか。コミュニ―ケーション能力まで高まりコーチとの信頼関係まで良好のようです。
サッカーのクラブチーム「蹉跎伊加賀蹴球団」では、以前、中学生チームで2カ月間、速読のトレーニングを行いました。週3回練習前に眼筋トレーニングやコアチューニング、眺める、高速パラパラなどを45分間行い、月に2回は「楽読」(※)の講師を招き集中的にトレーニング。すると判断スピードが上がり、断然動きがよくなりました。運動能力や技術力があるのに判断が遅く、ゲームではなかなかいいプレーができない。そんな子が「まわりを見たら、自分がどう動いたらいいのかがわかった」と、すぐに動きがよくなりました。速読のトレーニングでは、味方や相手がどこに、何人いるといった細かい状況を覚えるのではなく、そのときの状況を1枚の写真として頭にインプットするように教えました。それを実践できた子は、すぐにプレーに生かされたのです。
以前、ある番組で華麗なパスサッカーで魅せる元スペイン代表のシャビとアンドレス・イニエスタをテストし、脳の分析をしたことがありました。そこでは、空間認識力が非常に高いシャビに、試合のビデオを見せた後にプレイヤー20名の位置を書いてもらうテストを行いました。すると、16名の位置を記憶して再現したのです。
速読のトレーニングで目や脳を活性化させた後に、子どもたちにも同じようにゲームのように、テストすることがあります。自分のまわりにいる5人くらいはほとんどの子が見えていて、なかには10人見えている子もいました。誰がどこにいるのか、できるだけ見えるようになることで、効果的なパスを出すことができるようになるでしょう。
また、その脳の分析で分かったのが、シャビはひとつひとつ考えながらプレーしているのではなく、記憶しているパターンを瞬時に引き出していることがわかりました。だから、判断が早いのです。子どもたちにもストーリー調にいくつものパターンを覚えさせて、どこにパスを出すか、それともボールをキープしていた方がいいのかなど、状況に応じて自分がどう動いた方がいいのか、パターンに当てはめることで、判断スピードをアップさせるよう指導しています。
速読のトレーニングをすると右脳が刺激されて、考えるより感じる感覚が磨かれました。ボールを見なくてもコントロールできるようになったり、パスが回せたり。子どもらしい素直なプレーができるようになったと思います。速読のトレーニングの延長で、音楽を聴きながらドリブルの練習をしたり、風を意識してプレーをさせて、脳を刺激するような練習を取り入れています。
右脳を活性化することは、コミュニケーション能力も高めました。お互い感じたことをそのまま言葉で表現できるようになり、コミュニケーションがスムーズにとれるようになったのです。それは指導者にとっても同じこと。指導者も子どもたちと上手にコミュニケーションがとれるようになりました。
さらに、チーム内ではよくひとりずつ、仲間のいいところをみんなの前で言い、褒め合うことをします。すると、「そんなところを見てくれていたのか」と、嬉しく思ったり、また、知らなかった自分の長所に気づくことも。それによってよりチームワークがよくなってきたようです。
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