「自分を客観視する機会」が成長につながる。子どもに「気づき」を与える指導者のアプローチとは【3月特集】

2019年03月27日

コラム

3月の特集テーマ「問いかけ力は考える力を培う」の第2回では、しつもんメンタルトレーニング代表の藤代圭一氏から信頼関係の築き方、3種類の体験の仕方、質問の上手下手などのお話を聞いた。第3回となる今回は、オープン・クエスチョンとクローズド・クスチョンの違い、質問の深さと幅など、多様な問いかけ方について藤代氏に伺っている。
 
【3月特集】「問いかけ力」は「考える力」を培う

文●木之下潤 写真●佐藤博之、ジュニサカ編集部


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オープンorクローズ。質問方法は知っておくと得!

——間違えても大丈夫という雰囲気作りは大事なポイントです。

藤代「あとは、質問の種類を意識することです。オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンを意識することは大切です。例えば、たった一文字変わるだけでオープンからクローズドに変わります。

『今日は楽しいこと何かあった?』

 こう質問すると「別に」で終わってしまいます。これはクローズド・クエスチョンです。

『今日は楽しいこと何があった?』

 こう聞くと『これこれがね……』と後の話に流れていきます。これがオープン・クエスチョンです。単純に『か』が『が』に変わっただけですが、受け取り方は随分違います。『うちの子、質問しても何も答えないんですよね』という保護者はクローズド・クエスチョンが多く、子どもにとっては『はい』か『いいえ』かで答える質問になってしまっているんです。だから、会話が続かないのは当たり前です。

■例えば……
保護者『水好き?』
子ども『うん、好き』
保護者『よく飲むの?』
子ども『よく飲む』
保護者『どんな時に飲むの?』or『他にはどんなものを飲むの?』

 会話は筋を運んで掘り下げる中央突破と話題の幅を広げる展開力が重要です。中央突破一辺倒だと相手もきついので、もっと幅を持たせると深い話になるかもしれません。サッカーと同じで、思考のピッチを広く深く使うといいと思います。それこそ掘り下げる質問と広げる質問ができると、子どもの考える力が育まれます。「サッカーのどんなところが好きなの?」と質問すれば、縦に深く掘り下がっていくでしょうし、「他にはどんなスポーツが好きなの?」と問えば、横に幅が広がっていくでしょう。そこは意識するといいのではないでしょうか」

——サッカーで、状況把握を確認する質問でよくあるのが「何が見えた?」。個人的に思うは「今何が見えた?」と聞くと見えたものを答えると思うんです。「何が見えた?」という質問は漠然としていますし、そこに「今」を添えられる指導者、他にも「今何が見えてる?」と現在進行形で話せる指導者はその後も選手に状況を掘り下げている方が多い印象です。

藤代「やはり状況を説明するのに時間軸は必要です。今この瞬間なのか、少し前の過去なのか、ちょっと先の未来なのかは質問を受けた側が認識できないと答えに困ります」

——たまに見かけるのは「さっき何が見えてた?」と過ぎ去ったシーンを聞いている指導者。「いやいや、それは動いた後だからわからないでしょう」と思います。時間を巻き戻すなら動く前に立ち位置も戻せばいいのに、今、目の前の状況で過去のことを質問する指導者は結構います。「どんな状況?」も意外と多いです。「今、何が見えてる?」から一つずつ状況を把握させたらいいのに、一気に全体を説明させようとします。もう子どもは混乱しかしません。

藤代「『何が見えた?』と私も聞いていました。話を掘り下げたいなら抽象的な質問と具体的な質問とを使い分けるといいと思います。『何が見えた?』で答えが出てこなかったら『ディフェンスはどこにいる?』『何人いる?』と相手にとって具体的にグッと焦点を絞ってあげる。そうすれば子どもが『ああ、ディフェンスは……』と大まかに捉えていたものを、具体的に絞って見ていきます」

——「何が?」となったら、指導者は子ども目線にビジョンを切り替えることが必要なのかなと思います。

藤代「メタ認知というか、空間把握というか、それは備わっているものではないので、子どもにとってはトレーニングで身につけていきますよね。コーチには見えているけど、ピッチの中の選手には見えていないのだとしたら、例えば記録した映像を一緒に見ながら『今どうなっているか?』という話をすると、子どもたちにとっては自分の置かれた状況を把握しやすいですよね」
  

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