ダノンとチビリンで散見された2つの課題。そもそもビルドアップは「何のために」行うのか?
2019年06月12日
育成/環境
【図2】
相手守備のファーストラインを越えるには?
はじめにSBが考えるべきことは立ち位置である。
まず、相手の守備のファーストラインを越えた立ち位置に動くことが適切なポジションニングだと考える。そのときに体の向きがボール方向にあると、前に進むために前方向へと向き直すのに時間を要するため、ボールが自分の足下に届く間に守備Aが間合いを詰めてプレスをかけてくる。すると、せっかくファーストラインを越えた立ち位置でボールを受けても、結局は守備Aに背中を向ける形をとって再びCBに戻すプレーを選択することになってしまう。
だから、体の向きは同サイドのSHと中央にいるCHが視野に入る体の向きを作っておくことがポイントだ(図2)。
そうすれば最悪ボールを足下に止めてしまっても、前を向いてプレーできるからボールを前進させられる可能性が高い。そして、当然、相手は全体で守備を仕掛けてくるからSBは最初の立ち位置で守備Aを越えると同時に、守備Bの立ち位置を確認しておくことが大切だ。もし守備Bがボールに対してプレッシャーをかけられる立ち位置でなければ、さらに1タッチ目でボールを前進させるコントロールが可能になる。そうすると、SBもスピードに乗ることができる。
ここで何が大切かといえば、SBが相手の『守備に対して変化を起こすアクションをできたかどうか』だということだ。
立ち位置も、体の向きも、1タッチ目のコントロールも、すべて相手の守備に変化を起こすためのアクションにつながっている。立ち位置次第で相手の守備陣形は前にも後ろにもなり、体の向き次第で相手のプレスの掛け方が変わり、1タッチ目のコントロールが足下か前かでその後の相手守備の対応が変わる。いずれにしろビルドアップ時のSBのアクション次第で、相手の状況は一変させられるのだ。
では、守備のファーストラインを突破したあとの目的は何になるだろうか?
それが次のテーマとも関わってくる。それはハーフウェーラインを越えて相手陣内に侵入することが次の目的ではないだろうか。当たり前だが、相手にとっての守備ラインをひとつひとつ突破していくことの積み重ねがゴールに近づくことになるのは間違いない。しかし、それだと効率が悪く、時間がかかる。自分たちが置かれた立場で攻撃としての目標と守備としてのリスクを両方考えた場合には、自陣か敵陣かで随分と状況判断が異なる。そうなると、いかに素早くボールがハーフウェーラインを越えるかどうかは、サッカーにおいてひとつの大きな目的になるだろう。
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