「言われてやる、用意されたことをやる、やらされるのは全部ダメ」サッカーと勉強の共通点【サッカー外から学ぶ】
2019年07月11日
育成/環境文武両道という言葉がある。学芸と武芸、現在では勉強とスポーツ、その“両道”に秀でた成績を残す者に対して用いられる言葉であり、おそらく多くの子を持つ親たちはわが子に「そうあってほしい」と願っているはずだ。文武両道という言葉を考えると、勉強とスポーツは2つの道で、それは別々の道であると考えられがちだが、文武両道を目指すうえで必要な能力、育みたい力は根本的には同じではないか。「メシが食える大人に育てる」というコンセプトを掲げる花まる学習会代表の高濱正伸氏の言葉から、子どもたちが伸ばすべき「生きる力」について考えていく。
文●大塚一樹 写真●ジュニサカ編集部
※写真はイメージです
「メシが食える大人に育てる」学習塾
“サッカーの外”の識者からさまざまなことを学んでいく連載「サッカーを“サッカー外”から学ぶ重要性」。今回のゲストは、子どもたちを「メシが食える大人に育てる」というコンセプトで話題の花まる学習会の代表で、さまざまな教育本、子育て本の著者でもある高濱正伸さんにサッカーと勉強、そして「生き方」の話を聞いた。
「私たちが預かっているのは、基本的には“勉強”です。勉強を考えたとき、じゃあどこで差がつくのか? 計算の速さとか、公式をちゃんと覚えているとか、まぁたくさんありますよね。それらもまったく無意味というわけじゃありません。でも、決定的なのは、『補助線が浮かぶかどうか』これに尽きるんです」
花まる学習会の高濱正伸さんは、子どもたちの勉強、テストの点や成績を大きく左右するのは、計算でも公式でもなく、「補助線」だという。
高濱さんの言う「補助線」は数学の図形問題などで、与えられた図形にはないが、便宜的に用いられる補助のための線のこと。そしてこの「補助線」は数学以外にも必要だという。
「単に数学や幾何学の話じゃないんです。現実的に補助線が浮かぶか浮かばないかの能力の差で、毎回50点は合計点が変わる。学校で習う基礎ならそこまで差はつかないかもしれないけど、でも実際の入試は補助線が浮かぶか浮かばないかで大きな差がつく。入試だけじゃないんですよ。社会に出たとき、その差はもっと大きくなります。いいアイデアが浮かぶとかの発想、理論立てて物事を考える思考力、さらに言えば、現実的に考えたことをどうやったら実行できるかというところまで、必要な補助線が浮かぶかどうか、引けるかどうかが関わってきます」
国語の補助線? 発想力や思考力の補助線? 混乱している人もいるかもしれないが、自分たちの足下を見ればまさにサッカーは「補助線のスポーツ」と言える。
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