「言われてやる、用意されたことをやる、やらされるのは全部ダメ」サッカーと勉強の共通点【サッカー外から学ぶ】
2019年07月11日
育成/環境
教育現場から見た、遊びとスポーツの「没頭力」の効能
「効果があるのは圧倒的に遊び。二番目にスポーツ。スポーツは遊びのようにやれるというのが一番いいと思います。いまアメリカのカリフォルニア州サンディエゴにある「High Tech High」(ハイテク・ハイ)という高校が話題になっているんですよ。ここのカリキュラムを見に世界中の教育関係者が来て、動画配信もされていてみんなが見ている。何が革命的かというと、科目がないんです。全部プロジェクトなんです。11月に芝居の発表をするプロジェクトでは、生徒たちがそれに向かって監督をやったり役者をやったり、裏方をやったりする。プロジェクト単位で取り組むことで、将来必要な能力、社会性を身につけていくんです」
高濱さんは、このハイテク・ハイのプロジェクトを見て、日本の学校のある活動に似ていると感じたそうだ。
「本質だけ見ると“部活”そのものだと思ったんです。子どもたちは部活でこそ伸びるとずっと言っているんです」
部活外の課外活動でも同じこと。高濱さんが説く、「みんなで熱中して一つのことに取り組むことの重要性」こそ、人為的にはつくれない成長の舞台だ。
遊びが一番なら、好きなことを好き勝手にしていればいいのか? 高濱さんの言う「遊び」の肝はやはり「熱中」や「夢中」「没頭」にあるという。
「遊びと言ってもいい加減という意味ではなくて、没頭状態になることが大切なんですよ。簡単に言えばこちらの声が聞こえない状態。やらされているのは遊びじゃない。究極的に仕事ができる人って、仕事を遊びのようにやっている人ですよね。同じようにスポーツも遊びのようにできればそれだけですごい可能性が開けるんです。典型的な例だと、(三浦)カズですよね。体力維持のトレーニング、大変ですね? もうやめますか? と周りが言っても『いやいや、俺サッカーをしたいだけだから』と答えると思うんです。だから、子どもの熱中が一番のカギ。勉強が好きな子も実はいっぱいますよ。でもそれよりスポーツが好きで熱中する子どものほうが圧倒的に多い。それならスポーツで『見える力』『詰める力』を身につけるのがいい」
勉強とサッカー、そして「メシが食える」ための、生き抜くために必要なスキルとしてのサッカーの話。まずは、サッカーのメリットを語っていただいた。
次回は、教育者目線で見るサッカー指導者の話。サッカーコーチが、子どもたちを「メシが食える大人にする」ためには何をすべきなのかについて引き続き高濱さんに聞いていく。
<プロフィール>
高濱正伸(たかはま・まさのぶ)
花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。1959年、熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。93年に「メシが食える大人に育てる」という理念をもとに学習塾・花まる学習会を設立。算数オリンピックの委員、日本棋院の理事も務める。『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社)、『小3までに育てたい算数脳』(健康ジャーナル社)など著書は多数。
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