サッカーは「一人でやるものではない」。プレーに必要な“賢さ”とは
2019年07月14日
育成/環境一人で突破していくのには限界がある
かつて私の元に「県ナンバーワンのドリブラー」との呼び声が高い中学生がやってきたことがありました。確かに彼のドリブルのスキルは高く、非常にうまいと感じる選手でした。
私は彼がドリブルをするとき、守る側の選手たちに「こうやって守ったらうまくいくよ」とちょっとだけ守り方を教えてあげたのです。守る側は、彼がドリブルで向かってくることがわかっているので、彼を誘い込むような守り方で待ち構えるようにしたのです。
すると、そうなったときに彼にパスという選択肢があればいいのですが、残念ながらドリブルで突っ込んでいくだけでパスを選択することができず、何もできなくなってしまいました。
「守る側に賢く守られてしまうと、一人で突破していくのは限界があるんだよ。サッカーは11人でやるスポーツなのだから、もう少し味方と一緒にプレーすることを考えようよ」
私の助言に彼は理解を示してくれました。そういうトレーニングを最初にしてあげることで、彼は1カ月も経たないうちに変わっていったのです。
春頃にそういうことがあった彼は、夏頃にはパスを選択肢に入れることができる選手になっていました。しかし、夏休みに実家に帰ったとき、お父さんから電話をもらうことがありました。「うちの子が下手になっている。ドリブルよりもパスをすることを考えているのですが、これはどういうことでしょう?」と。
私はすかさず聞き返しました。「それはどういうことでしょう?」と。
※続きは7月19日発売の「蹴る・運ぶ・繋がる」を体系的に学ぶ ジュニアサッカートレーニングをご覧ください。
<プロフィール>
池上正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190ヶ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、その後、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターや普及部部長を歴任した。現在は「NPO法人I.K.O市原アカデミー」で全国の子どもたちや指導者に池上メソッドを伝える傍ら、大学講師も務める。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)はベストセラー。『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』『少年サッカーは9割親で決まる』(小社刊)。ジュニア指導歴39年で、のべ50万人の子どもたちを指導した実績を持つ。
【商品名】「蹴る・運ぶ・繋がる」を体系的に学ぶ ジュニアサッカートレーニング
【著者】池上正
【発行】株式会社カンゼン
【判型】(ソフトカバー)/208ページ
【価格】1,700円+税
【発売】2019年7月19日発売
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