「親が変わらなければ子どもは変わらない」。花まる学習会代表・高濱氏が“保護者の育成”に力を入れる理由【サッカー外から学ぶ】
2019年08月01日
育成/環境
サッカーコーチも教育を学んでほしい! 「花まる白熱教室」
どこまで関与するのか? 踏み込んでいいのかは難しい問題だが、高濱さんは、こうした問題にまで踏み込んでお母さんと話ができると、「何をしても文句しか言わないお母さん」が途端に「一番の味方」になってくれるという。
「味方にしてしまおうというテクニックを教えたいわけではなくて、突っかかってくるのには理由があるということを理解しておこうという話です。みんなそれぞれ親子関係にまつわるコンプレックスみたいなものを多かれ少なかれ持っているんです。そこに踏み込んでいければ、親との関係で悩むことはなくなる。人間というのは、実は寄り添いたくて仕方ないもの。誰かと関わりたくて反発したり、文句を言ったりするものだということですよね」
子は親を映す鏡と言うが、子どもの問題は親に起因していて、親の問題もまたその親にまで遡る根深い問題であることも多い。サッカーコーチが“外の師匠”として子どもたちに関わるためには、サッカーを通じてその子の将来に関わる、あくまでもサッカーの側面からさまざまなアプローチを試みるということでもある。
「親子関係からは少し離れますが、スポーツって努力が必ずしも報われるわけじゃないですよね。そういうときにこそ、“外の師匠”である、みなさんの出番です。ミス、失敗、負けなんて人生の中では常に起こることなんです。短く言えば、そういうときに困るのは普段から『他人と比較して評価している』からなんです。教育を学んでもらえればそういうことはなくなります。
『リフティング1000回』って勝手に設定して、『お前だけできなかった』みたいな状況を作り出している。これは不幸の方程式にはめ込んでいるだけで、コーチが設定した枠組みで『できる・できない』を決めつけているだけであって、指導でも教育でも何でもありません。君の目標は君がつくっていけばいいし、できたこと、できないことも全部、学びの場、うまくなるチャンスなんだよと気づかせてあげるのがコーチの仕事です」
指導者も子どもと関わる以上、教育を学んでほしい。高濱さんの言葉が熱を帯びる。
「誰かの決めた枠組みで『できる・できない』を競うと、必ず不幸になります。誰だって何か足りないものはある。そのときに、自分の持って生まれたもので一番幸せになれる道は何か、と考えることが生きるってことだと思うんです。サッカーだからとか、勉強だからとかじゃなくて、できなかったときにどうするかを教えることが、教育者、サッカーコーチ、スポーツの指導者にいま本当に求められていることだと思います」
<プロフィール>
高濱正伸(たかはま・まさのぶ)
花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。1959年、熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。93年に「メシが食える大人に育てる」という理念をもとに学習塾・花まる学習会を設立。算数オリンピックの委員、日本棋院の理事も務める。『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社)、『小3までに育てたい算数脳』(健康ジャーナル社)など著書は多数。
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