サッカーにおける技術の種類を、日本語に置き換えて細分化する

2019年09月13日

読んで学ぶ/観て学ぶ

LOBØS FOOTBALL CLUB

子どもにどう伝わるかを意識する

 次にパス。
「早くパス出せ」
 これじゃ何も伝わりません。まず「出す」ってなんやねんって話ですよね。

 自分は、パスに関しては
「通す」
「渡す」
「預ける」
「つける」
「誘う」
「捨てる」
「置く」

 くらいに言い換えて使っています。

「通す」ならば相手の間を通す“勝負のスルーパス”みたいなイメージですよね。でも「渡す」だと通すパスと同じ強さにはならないし、通すパスは走る味方に出すけれど、渡すパスは、止まっている味方の足下、みたいなイメージ。パスの強さも、違ってくる。

「預ける」ということは「返してもらう」前提があるということが言外に含まれるから、
「預けろ」と言うだけで「もう一度受ける」ことを、選手は自然にイメージできるようになる。

 次にシュートに関してですが、「日本人はシュートが下手」「決定力不足」と昔からずっと言われているけれど、これの一つの要因として、シュートの時に「打つ」という言葉を使ってしまうことが大きな要因だと思ってます。

 GKの手が届かない場所に狙って入れないといけないのに「打てぇ!」ですからね。大人に言われたことをそのまま実行することを良しとする日本の子ども達なら、そりゃ力んじゃいます。

 打つのが目的ではなく「ゴールを決める」のが目的だから、適切な言葉は決して「打て」ではないような気がします。

 自分が使うのは
「入れる」
「合わせる」
「流す」
「置く」
くらいかなぁ。

 どなたか、他に良い言葉あれば教えて下さい。もっとあるような気もします。

 言外に含まれる意味も含めての日本語なので、そこをどうイメージするかで、子どもによりその解釈は違ってくるかもしれません。

 だからこそ、同じ「言葉」を共有しながらもそこにどう色付けをするかは選手の個性や感性が大きく左右し、そこに「自由」が生まれる。

 日本語を使うことで、サッカーの持つ自由さを担保しながら、同じチームでプレーすることの意義や意味も、同時に伝えられるのではないかと思います。

いかがでしょうか。このように「日本語の持つ抽象的な響きを利用して、逆に具体的なコーチングとしてコーチングに生かす」こと。これ、考え出したら結構楽しい作業になります。

なので皆さん、一緒に考えませんか?

 次回このコラムがもしあるとしたら、サッカー用語の和訳の間違いについてと、守備の時に使える日本語について書いてみたいと思います。

 アプローチ!寄せろ!足出すな!ではなく「◯◯しに行け」で、子どもの守備が一変します。

 

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