“仲間と”ともにサッカーができる喜びを。第43回全日本U-12サッカー選手権大会開幕

2019年12月25日

JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会
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取材・文●高橋大地 写真●佐藤博之

ジュニア年代日本一を決める戦いが開幕!

 2019年12月25日(水)、鹿児島市民文化ホールにて「JFA第43回全日本U-12サッカー大会」の開会式が行われました。開会式前の恒例行事となった「歓迎太鼓」が終わると、日本サッカー協会第4種大会部会長・高山清さんの開会宣言で式はスタートします。

 続いて登壇した日本サッカー協会・田嶋幸三会長は「今年は災害の多い年でした」と、話を切り出します。ここ数年、日本各地で発生するさまざまな自然災害は、日本のサッカー少年・少女たちにとっても無関係ではありませんでした。特に、増水による河川敷の被害は深刻で「このひと月ほど、いくつかの(河川敷の)グラウンドを視察にいきましたが、まだまだ使える状態ではありませんでした」と、田嶋会長は語ります。

田島会長

 選手宣誓で登壇した広島県代表・尾道東サンバFCのキャプテンを務めた田坂彩人くんも、昨年、西日本を襲った豪雨による被害を受けました。その時の心境や想いを田坂くんは、宣誓に込めました。

「ここに来るまでの道のりにはたくさんの試練と困難がありました。日本列島を襲う自然災害。僕たちの町も、昨年の豪雨により被災し、サッカーができない日々が続きました。大好きなサッカーができることは、決して当たり前ではないということを改めて感じました。

 災害やケガなどでサッカーをできなくなった選手の想い、予選で競いあった選手の想い、僕たちにサッカーの楽しさと厳しさを教えてくださった監督・コーチの想い、どんなときも一番近くで支えてくれた家族の想い、そして、僕たちに関わってくださるすべての方々の想いを胸にピッチに立ちます。

 この令和の空の下、日本に平和な日々が続くことを願い、この大会に関わってくださるすべての方々をリスペクトし、見ている人を感動させるプレーすることを誓います」(田坂くんの宣誓より)

選手宣誓

 田坂くんの素晴らしい宣誓の後、スペシャルゲストとして登場した元日本代表の石川直宏さんも「言いたいことはすべて(田坂くんが)言ってくれたかな」と感動した様子。

 柔らかい雰囲気で話はじめた石川さんの背後には、自身のジュニア時代の写真が写し出されました。

石川さん

 実は、この写真には石川さんだけでなく、のちに日本代表やFC東京で“チームメイト”となる茂庭照幸選手も写っており、小学生時代は、お互いを意識し合う“ライバル”関係にあったことを教えてくれました。
 
 さらに今回、横浜F・マリノスプライマリーのコーチとして帯同している大橋正博さんも、ジュニアユース時代にポジションを争ったライバルでした。その時は、ポジション争いに敗れてしまったものの、その後サイドアタッカーとして開花する石川さんにとって、サッカー選手として大きな分岐点を与えてくれた“仲間”だったのです。

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 開会式のクライマックスには、現日本代表の原口元気選手と中島翔哉選手からのビデオメッセージがスクリーンに映し出されます。その中で中島選手は参加選手たちに向けて「チームメイトや監督・コーチと協力して、みんなで良い大会をつくっていってほしいな、と思います」と、メッセージを送りました。

 U-12年代の大会は基本的に8人制ですが、サッカーは11人で行うスポーツです。しかしその前に、ピッチには対戦するチームの選手もいて、審判もいます。ベンチに目を向ければ、出番を待っている選手や、監督・コーチ、視野を広げると、応援席にいるお父さん、お母さん、さらには大会を運営するスタッフの方々やボランティアとして運営をサポートしてくれている地元の高校生もいます。決して、一人ではサッカーはできません。

 今大会のキャッチフレーズは「夢と、走れ。仲間と、走れ。」です。

 もしかすると明日対戦するチームの選手の中に、将来日本代表でともにプレーすることになる“仲間”がいるかもしれません。

 8476チームを代表して出場するチームの選手たちにとって、より大きく成長するためのキッカケを掴む。そんな大会になってほしいと願っています。

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