サッカーには夢がある。それぞれが抱いた悔しさを糧に、未来に向かって走り出す
2019年12月31日
育成/環境バディーSCの9年ぶりの優勝で幕を閉じた『JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会』。今年も全国各地から集まったサッカー少年・少女たちが、鹿児島の地で大きく成長する姿を見せてくれました。
取材・文●高橋大地 写真●佐藤博之
今後の飛躍につながるキッカケとなる大会
スポーツをする以上は“結果”という存在がつきまといます。結果の存在自体が、子どもたちのスポーツにとって毒となってしまうことも多々あります。しかし、勝つこともあれば、負けることもあるという事実は、ときに残酷ではありますが、子どもたちにとって大きく成長するためのキッカケとなることもあります。
今大会で準優勝に輝いた柏レイソルU-12の内田隼翔くんも、悔しさが残った選手の一人でしょう。
準決勝・ベガルタ仙台ジュニアとの一戦。延長戦までもつれた試合終了間際の出来事でした。延長後半に先制点を奪われたベガルタが、ラストプレーに決死の思いで攻撃を仕掛けきます。その攻撃に対して守備をしていた内田くんは1対1を制して、チームの危機を救ったように見えました。しかし、判定はコーナーキックに。その判定に内田くんは、驚いたと同時に怒りで土を蹴ってしまいます。この行為でイエローカードを受けてしまい、決勝の舞台には累積警告で立つことができなくなってしまったのです。
立ちたくても立てなかった大舞台のピッチ。チームは決勝に進んだのに、自分はその舞台に立つことができない…。内田くんの心中を想像することは難しくないですが、そんな内田くんの気持ちを最も理解していたのは、レイソルのチームメイトたちでした。先制点をあげた直後に仲間が掲げてくれた8番のユニフォームがそれを物語っています。
内田くんの夢は「バルサやレアルに入ってバロンドールをとる」ことです。残念ながら決勝の舞台に立つことはできませんでしたが、この光景を見ることができたのは、決勝戦に出場できなかった内田くんだけのものです。自分だけが抱える悔しさを胸に、大きな夢を掴むため、内田少年の歩みは続きます。
今大会はCBの活躍が目を引きました。現在世界最高のCBとして名高いフィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール)のように『強くて速くて巧い』三拍子揃ったディフェンダーは、日本の小学生の中にも増えてきています。そのファン・ダイク選手を目標とするセンアーノ神戸ジュニアの末谷太一くんも、今大会で輝いたCBの一人です。3年前に全国大会初出場ながらバーモントカップと全日本U-12サッカー選手権大会を制したセンアーノの10番・末谷誓梧選手を兄に持つ末谷くんの目標は、もちろん優勝でした。
しかし、チームは準決勝で敗退。「ベスト4で終わってしまったけど、(小学生年代)最後の大会でチーム一丸となって戦えてよかったです」と末谷くんは胸を張ります。チームの和を大切にする末谷くんは、CBとして味方を鼓舞したり、相手選手が足を振りあげているところにも臆せず頭を出していける南米のファイターを彷彿とさせるディフェンダーです。
そんなたくましいプレーを見せる末谷くんもPKでの敗退直後には涙が止まりませんでした。涙が止まらない中、スタンドにいたセンアーノの保護者たちに挨拶にいきます。チームの代表として末谷くんは、涙を拭いながら言葉を紡ぎます。
「自分たちの夢に向かって、これからも頑張るのでこれからも応援してください」
普段から自らの夢を意識している末谷くんだからこそ、悔しい試合直後の挨拶でも、自然と言葉が出てきたのでしょう。
末谷くんの夢は「日本代表に入って、誰からも認められるCBになる」こと。この悔しさを糧に、夢に向かって突き進んでくれることでしょう。
内田くん、末谷くんに限らず、出場した選手たちには、それぞれ何かしら感じたことがあるはずです。うれしい気持ち、くやしい気持ち、抱いた“感情”を大切にして、自分たちの夢に向かって突き進んでほしい。サッカーには、くやしい気持ち以上に、たのしかったりうれしかったりする機会がたくさんあるのですから。
<関連リンク>
・JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会
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