“3ピリオド制”がもたらす出場機会の創出と指導者への影響とは【小野剛×内藤清志 8人制サッカー対談】

2021年04月20日

育成/環境

前回の「“8人制or11人制”人数に捉われない不変的なサッカーの本質とは」では、8人制サッカーにジュニア年代が移行した経緯を考察しました。その上で、多くの選手に試合に出場するチャンスを与えないと大きな才能を秘めた子どもたちを見つけることが難しくなります。そういった経緯で生まれた3ピリオド制は出場機会を増やすだけではなく、指導者の成長にも良い影響を与えています。そこで今回は、本日20日発売となる『8人制サッカーの教科書』から、FIFAインストラクターであり8人制導入の発起人の一人でもある小野剛氏と、著者である内藤清志氏の対談の模様を一部抜粋して紹介します。


選手の出場機会創出を考える

内藤 試合のオーガナイズという点では、これまでの前半・後半に分けていた試合時間を、3つに分けた「3ピリオド制」というルールもジュニア年代にはあります。僕はたくさんの子どもが試合を経験できるという意味では必要かなと思います。「試合の登録メンバーをすべて出場させる」ルールなので、先ほども話しましたが、試合でしか経験できないことはたくさんあるので、環境設定を大人が作ってあげるっていうことでも、いいことですね。

小野 そうですよね。U-12年代は、早熟な子もいれば、これから体が出来上がる晩熟の子もいる年代です。つまり、まだ誰がここから伸びていくかわからないわけです。現段階でチームのエースであっても、そのままエースで居続けるかどうかはわかりません。目立たなかった子が、試合を経験してグングン伸びていく可能性もあります。

 だから誰にでもチャンスを与えてあげる。やはり誰もがゲームには参加したいですから。毎週土日になれば練習へ行くけど、ずっと外から見てるだけの子も中にはいます。そうした子の多くがサッカーを辞めてしまいます。実は辞めてしまった子の中にも大きな可能性があったかもしれないし、「誰にでも可能性を秘めているんだ」というメッセージから3ピリオド制は生まれました。本来であればルールによる縛りなんかなくても、指導者が「全員を使うのが当たり前だよ」となれば理想です。

 しかし、なかなかそこまでいかないんですよね。ただ、3ピリオドには、チーム編成も駆け引きの一つで、指導者にとっても成長の機会があります。A、Bと均等に分けてて、最後に3本目はほとんどのチームがベストで来るんですよね。第1ピリオド、第2ピリオドをどうするかを子どもたちで色々と話し合うのも楽しいですね。「じゃあ半々で行こうか」とか、「あのチーム強いから、とにかく前半頑張ってそれで次に……」とかね。自分たちで考えて。そうするとまた今までずっと出ていた選手も外からすごく応援したりして、いろいろと子どもたち主体にやると面白い部分も出ますね。でも、大人が自分の欲を出しすぎると、ちょっと趣旨と違うところも出てくるのは出てくるので。すべてがバラ色というルールはないと思いますが、様々なレギュレーションの大会形式の中で良い面を引き出し、次世代につなげていきたいですね。


つづきは『8人制サッカーの教科書』からご覧ください。


【商品名】8人制サッカーの教科書
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2021/04/20

【書籍紹介】
11人制で活躍する選手を育成するには、
指導者が“サッカーの本質”を理解することが重要だ。

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