マルバが求めるピッチでの「感覚」とは? サッカースクールが11人制で全国優勝できた理由
2022年11月30日
育成/環境「そういった積み重ねが間接的につながっていく」
――何を目標に置いていたんですか?
「今は優勝よりも個の育成が主眼になっていますね。なので、ゴール前でプレッシャー受けて取られて失点したり、ドリブルしようとしたら取られて決められたりした試合もありました」
「でも、子どもの中で危険を察知するとか、相手の逆を取るということを積み重ねていくことができました。それを繰り返すことができたので、ワーチャレではどのエリアでもどの選手でも、基本的にあまりボールを失っていないと思います」
――確かに、ポジション問わず、ボールを失わずに運ぶ能力は高かったように見えました。
「基本はまずボールを自分で扱えるようになること。ボールを思い通りのところにコントロールする。この辺に置けたらいいな、この辺に運べたらいいな、この辺にこんな種類のボールを蹴れたらいいなというのがあると思います」
「1対1もそれと同じように考えるんです。1対1も一つの技術のように、相手を見てこっちに行きたい、ボールを取られない場所に置きたい、と」
「相手を見て、どこが空いているかを意識して、スペースやエリアを見る。仕掛ける部分も大切ですが、同じようにボールを失わないことも大切だと思っています」
――ただ、そういったテクニックだけでサッカーはできないですよね。マルバの選手は受け手の動き出しが洗練されているように見えました。
「そういった積み重ねが『パス』にもつながっているんですよね。ここが空いているからパスを出すとか、ここをふさがれたからこっちに運んでからパスを出すとか」
「ボールがないときに自分がどこにいったらいいかを知ることにもつながる。そうやってすべてが間接的につながっていくんですよね」
「今、(目の前のコートで)1対1の仕掛けをやっているんですけど、左と右にコースがあることを彼らはなんとなく感じています。言葉ではなく、何回もやることでそれを感じられるようになっていく。本当にうまくなる子は、こっちに何人いるからこっちに行きたいというのが感覚的にわかっている」
――なるほど。そういった「感覚」を掴むにはどうしたらいいのでしょうか。
「それを大人が言葉にすると簡単なんだけど、実際はそれを考えてやっている子は少ないんですよ。
「感じさせるということばかりを僕は求めていますね。なので、子どもにもよく『どう思っているの』『どう見えていたの』と聞いています。子どもたちがどう見えているかが大事なので。そういう会話がある中で、ピッチでの感覚が磨かれていくんだと思います」
第2回は12月3日(土)に公開予定です!
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