サッカーにおける「スピード」の定義とは? 足の速さだけが「スピード」ではない
2018年10月19日
コラム「われわれは、スピードを条件付ける要素について深く見直すべきだ。展開が要求しているものを認知してプレーする、時間的プレッシャーの下で効率的かつ効果的なアクション、対戦相手のプレーによって起こることを理解し、プレーの複雑性を加味したトレーニングの向上を求めるべきだ」こう語るのはFCバルセロナでフィジカルコーチを務め、2014-15シーズンにリーガ・エスパニョーラ、コパ・デル・レイ、チャンピオンズリーグの3冠の達成に大きく貢献したラファエル・ポルだ。今回はラファエル・ポル著の『バルセロナフィジカルトレーニングメソッド』から「サッカーにおけるスピード」を再考する。
『バルセロナフィジカルトレーニングメソッド』より一部転載
著●ラファエル・ポル 翻訳●坪井健太郎 監修●小澤一郎 写真●Getty Images、ジュニサカ編集部

「最も素早い選手は、グアルディオラだ」
「『FCバルセロナで最も素早い選手は、グアルディオラだ』と言ったら、同意できるだろうか?週一度行なわれるスピードに関する練習で、最適解を見いだすのは常にグアルディオラだった。5~20メートルのダッシュ・止まる・動き出すという動作において、セルジはグアルディオラより速い。しかし動き出す前の『予測を立てる』『次のアクションまでに味方のポジショニングを見る』『正しいポジションをとる」といった動作で最も速いのは、グアルディオラだ」
パコ・セイルーロ(2000)
パコ・セイルーロは、スポーツの指導者において最も権威のある人物の1人だ。彼は、サッカーにおける「スピード」についての複雑性を指摘する。移動のスピードだけでなく、思考運動を素早く適応させることがスピードである、と認識している。
参考文献を開いてスピードについて分析すると、その意味は日々進化している。
ハレ(1987)によると、スピードとは「可能な限り少ない時間でアクションを行なう原動力」である。この定義では、ある時間の中でアクションの原動力となる動きを作り出す神経筋の要素についてのみ触れている。続いてグロッサー(1992)は、「認識プロセス、意図的な最大出力パワーと神経筋システムの機能性、ある設定された条件における動きと反応の最大限の速さを獲得する能力」とある。
この定義においては、動きの最大速度や認識プロセスと関連した新しい条件が含まれている。ガルシア・マンソ(1998)らは効率の概念を組み込み、「可能な限り少ない時間で、効率的アクションを最大限起こすことを可能にする能力」としている。
この概念は、サッカーのようなスポーツの基本だ。なぜなら試合中におけるアクションの成否は「可能な限り少ない時間の中で実行されるアクションかどうか」ではない。「スペース的に正しいアクション」である。それは予測能力、目に見えるシチュエーションだけでなく、「プレーの展開から先に何が起きるかを見極める能力」である。

【現在はマンチェスター・シティの監督を務めるジョゼップ・グアルディオラの選手時代】
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