サッカーにおける「スピード」の定義とは? 足の速さだけが「スピード」ではない
2018年10月19日
コラム
プレーの複雑性を加味したトレーニングが必要
いくつかの研究によって示されているとおり、サッカーにおいては最高速度で移動できる能力よりも、短時間で状況を解決する能力の方がよりプレーを成功させる。ラゴ(2002)は、サッカーにおけるアクションの56%は1~3秒の短いもので、「最大速度の移動は、短いアクションに対してさほど影響を与えない」と指摘している。
ディ・サルボ(2008)、ゴロスティアガ(2001)、ポル(2009)は「最大速度で移動するアクションの占める割合は、常に全体の2%以下」と述べる。このようにスピードやそのトレーニングを、最高速度の移動能力として理解することはできない。最高速度で移動するシチュエーションを生み出そうとするなら、その能力を発揮できる可能性をいち早く 感知する能力、状況へ適応できる能力がとても重要になる。走るスピードが速い選手が、いつも勝者になっているわけではない。
わかりやすい事例として、W杯2010年大会において選手たちがどれくらいの移動スピードを実行していたかという分析がある。クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシという世界的に有名な2人よりも、最高速度で走った選手はそれぞれ80人、40人もいた。
われわれは、スピードを条件付ける要素について深く見直すべきだ。展開が要求しているものを認知してプレーする、時間的プレッシャーの下で効率的かつ効果的なアクション、対戦相手のプレーによって起こることを理解し、プレーの複雑性を加味したトレーニングの向上を求めるべきだ。
ラファエル・ポル
1987年、スペイン生まれ。スペインの体育大学であるINEFで学士課程を習得。その時に書いた卒業論文が、バルセロナフィジカルコーチの権威とも言われるパコ・セイルーロの目に止まる。24歳の時には、ルイス・エンリケがセリエA・ASローマの監督に就任すると同時に、フィジカルコーチとして招聘され“チーム・エンリケ”の一員となる。セルタを経て、2014年からFCバルセロナのフィジカルコーチに就任。2014-15シーズンは、リーガ・エスパニョーラ、コパ・デル・レイ、チャンピオンズリーグの三冠獲得に貢献した。
【商品名】バルセロナフィジカルトレーニングメソッド
【価格】2,484円(税込)
【著者】ラファエル・ポル
【翻訳】坪井健太郎
【監修】小澤一郎
インテンシティーを重んじる現代サッカーに必要なスピードとパワーを強化する「フィジカルトレーナーは、フィジカルトレーニングの実行と関連する人間の動きの原動力と生物学的プロセスの専門家として、選手とチームに期待する適応が発生するためにトレーニング計画に協力するべきである」
「サッカーにおけるスプリントの必要性は、直線を走ることよりも方向を変えることに特徴づけられている」
「トレーニングプロセスにおいて判断(戦術)のプロセスと、アクション(技術とフィジカル能力)のプロセスを分けて考えることは間違っている」
「ジムのマシーンでのトレーニングは、選手のコーディネーションのパターンを尊重しておらず、結果的に多くの支障をもたらす」
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