東京Vが10年ぶりに全国の舞台へ!JACPAとのPK戦を制する/JFA 第42回全日本U-12サッカー選手権大会 東京都大会
2018年11月27日
JFA 第42回全日本U-12サッカー選手権大会
取材・文・写真●中澤捺生
東京VがPK戦を制する!
11月25日(日)、町田市立陸上競技場(町田市)にて「JFA 第42回全日本U-12サッカー選手権大会」東京都大会決勝戦が行われ、東京ヴェルディジュニア(以下、東京V)がJACPA東京FC(以下、JACPA)をPK戦(1-1 PK:3-2)の末下し、鹿児島で開催される全国大会への切符を掴んだ。
午前中に行われた準決勝では東京VがバディサッカークラブをJACPAが三菱養和SC巣鴨ジュニアをそれぞれ2-0で下し、ファイナルの舞台へと勝ち進んだ。東京VとJACPAは「三井リハウス東京都U-12サッカーリーグ」の前期・後期で対戦しており、その時の成績は1勝1敗だった。
14時30分に試合開始の笛が吹かれた決勝戦。前半は、東京Vがボールを支配し、JACPA東京が守備ブロックを固めてカウンターを狙う構図となった。
しかし、「(前半は)ボールを納めることができなくて起点を作ることができず、チャンスを作ることができませんでした」とFWでプレーした主将の井上寛都くんが話すように、東京Vはボールを支配するものの、シュートまで持ち込めない展開が続く。試合は膠着状態となり、0-0で前半を折り返した。
前半、一つも決定機を創出できなかった東京Vは後半、右サイドでプレーしていた2番・惟住圭斗くんを中心に攻撃を仕かけていった。後半9分、惟住くんが7番・山本丈偉くんとの連携でペナルティエリア内に侵入し強烈なシュートを放つと、後半13分には右サイド奥深い位置から、股間を抜くドリブルでDF一人を置き去りにし、中にクロスボールを配給。しかし、惜しくも味方には合わず得点は生まれなかった。その後も、2番・惟住くんを中心に東京Vは何度もJACPAゴールに襲いかかったが、ゴールネットだけを揺らすことができない。
すると、防戦一方だったJACPAが後半17分に決定機を作る。東京VのCKのこぼれ球を拾い、カウンターに転じると、準決勝で2ゴールをあげた10番・川村陸空くんがドリブルでDFを一人剥がし右足でシュートを放つ。しかし、ボールは惜しくもゴール左に逸れた。
結局、互いにゴールを奪うことができず、試合は延長戦(前後半5分ハーフ)に突入した。そして、延長前半4分、ついに試合が動く。東京Vの2番・惟住くんが右サイドから柔らかいクロスを上げると、中に走り込んだ7番・山本くんが足でトラップ。ワンバウンドしたボールを強烈なボレーでネットに突き刺した。「早く点を取りたいと思っていました。トラップもシュートも狙い通りにいったので良かったです」と試合後、山本くんは得点シーンを振り返ってくれた。
このまま、1-0で東京Vが逃げ切りに成功すると思われたが、試合終了間際にJACPAが劇的同点弾を奪う。CKのボールがペナルティエリア外中央にこぼれると14番・佐藤龍之介くんが左足を振り抜く。コロコロと転がったボールはゴールネット左隅を揺らした。JACPAが土壇場で追いつき、試合は1-1で終了。勝負の行方はPK戦に委ねられることに。
PK戦では先行のJACPAの2人目が失敗したのに対し、後攻の東京Vはキッカー全員が成功。この結果、東京Vが10年ぶり14回目となる全国大会出場を決めた。
「東京都予選と同じく、全国大会でも仲間と一丸になって戦っていきたいです。もちろん目指すは日本一です!」と試合後、主将の10番・井上くんは1か月後に行われる全国大会への意気込みを語ってくれた。
全少で2度の優勝を飾っている東京V。前回優勝したのは高木大輔(レノファ山口)、安西幸輝(鹿島アントラーズ) らが在籍していた2007年大会だ。東京Vの選手たちは鹿児島で3度目の全国制覇を狙う。

<ジュニサカMOM>
東京ヴェルディジュニア 2番・惟住圭斗くん
右サイドでプレーしていた惟住圭斗くんは決勝ゴールをアシストしました。シザース、股抜き、ボディフェイント…様々なフェイントを駆使したドリブルでDFを切り裂き、何度もチャンスを創出していました。東京Vの蓮見知宏監督は「決勝戦では存在感を示してくれました。自分の持ち味を存分に発揮してアシストもしてくれたので良かったです」と評価していました。
■全国大会への意気込み
鹿児島に行くために今まで頑張って練習を積み重ねてきたので、決勝戦で勝てて嬉しかったです。全国大会では優勝を目指します!
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