大会規模拡大で9か国のチームが参加する“ワーチャレ”が開幕!戦いの「幅」をみせた海外勢 /ワーチャレ取材日記①
2019年08月30日
読んで学ぶ/観て学ぶ取材・文・写真●中村僚

海外クラブが見せた修正力
8月29日、「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019」が開幕した。参加チームが32チームに拡大され、それぞれの国で予選を勝ち抜いたり、選抜チームを構成したりして大阪での本大会に臨んでおり、発足当時よりも大会のグレードは確実に上がっている。
その顔ぶれも、大会3連覇中のFCバルセロナ、ドイツから初参戦となるFCバイエルン・ミュンヘン、アフリカからはナイジェリア選抜、タイから「SISB THAILAND」、オーストラリアから「MONGO FOOTBALL」などが参戦し、実に多様なチームの数々となった。
大会初日、私は横浜F・マリノスプライマリーvs広州富力足球倶楽部、FCバイエルン・ミュンヘンvsヴァンフォーレ甲府U-12、SISB THAILANDvs名古屋グランパスU-12、FCバルセロナvsベガルタ仙台ジュニアの4試合を視察した。

どの試合も日本勢の技術力は目立った。おそらく普段から、GKを起点としたビルドアップで丁寧に攻撃を構築していくのだろう。試合序盤は日本のチームが主導権を握り、決定機やゴールを生み出す。
しかし、ハーフタイムを境に試合の様相は一変する。各チームの監督は的確に修正を促し、前からのプレスでボールを奪い、試合の流れを手繰り寄せる。奪ったボールはシンプルに裏へ落とし、ゴールへの最短ルートを辿る。そうして後半に盛り返し、同点ないしは逆転で試合を終えた。広州富力、バイエルン、SISB、いずれもそのような形だった。
圧巻だったのはバルセロナだ。前半から仙台に自由にプレーすることをまったく許さず、自陣ゴール前に侵入される場面すらほぼなく勝利。前後半で大きくメンバーを入れ替えたが、2-0というスコア以上の内容で圧倒した。

やや気になったのは、日本のチームはほとんどの場面でショートパスありきでプレーを始めることだろうか。例えば自陣ゴールキックになった時、ショートパスを選択すると相手選手に詰められてしまう場面や、より前線にフリーになっている選手がいる場面でも、ペナルティエリア内にパスをしてつなごうとする。そしてプレスを受けて苦し紛れにボールを出すしかなくなり、低い位置で相手にボールを渡してしまう、というシーンが頻発していた。
そして苦し紛れのキックも、自陣を超えるような大きなものではなく、相手の中盤のあたりまでしか飛ばない。ロングキックを蹴るパワーがないように感じられた。小学6年生であれば、チームに1,2人は40m級のキックを蹴る選手がいても不思議ではないが、そういった選手は見受けられなかった。
おそらくは、普段は8人制の小さいコートでロングキックを蹴る必要がなく、国内ではプレスを受けてもビルドアップでかわせる相手との対戦が多く、大きくクリアしなければならないほどのピンチもあまりない、といった要素があり、長いキックを蹴る習慣がないのではないだろうか。ハーフタイムの修正も含めて、そのあたりの対応力は総じて国外チームに分があるように感じられた。
中学生からはボールが5号球になり、ピッチも今大会と同じ大きさになる。学年が上がった時の想定と考えれば、今のうちに経験しておくのは悪くないし、後ろからつなぐ戦法は裏へのロングキックも見せることでより効果的になる。2日目以降にそうした場面が見たい。
<関連リンク>
・U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019
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