フォームの意識だけではキックは改善しない。キックの名手たちの共通点とは【フィジカルのプレーモデル】
2024年04月24日
フィジカル/メディカルサッカーとはボールを止めて蹴るスポーツであるため、自分の思い通りにシュートやパスをコントロールをすることが大事である。では、どのようにすればプロの選手たちのようにボールを蹴ることができるのだろうか。『サッカー フィジカルのプレーモデル』から、キックの名手たちの共通点について一部抜粋して紹介する。
著●三浦哲哉 監修●須佐徹太郎
キックの名手は骨盤を動かす・止める蹴り方を使い分ける
キックでいえば、フォロースルーで蹴り足を内側に振り抜いた形と同様の動きになります(図56)。育成年代のプレーを見ると、上半身の捻りに併せて、この骨盤と脚の連動した動きができる「基礎体力」が足りないため、骨盤の回旋を止めるタイプのキックのみになる選手が多いように感じます。
キックの名手と呼ばれる選手は、骨盤を動かす止める蹴り方の使い分けができ、またキャリアを重ねることで起こる身体の変化に合わせて、蹴り方を調整している印象があります。同じ骨盤を止めるキックでも、中村俊輔選手(現:横浜コーチ)や遠藤保仁選手(現:ガンバ大阪コーチ)は蹴り足の自由度が高く(「膝が下の通り道」)、股関節を外旋した状態でグイッと曲げることで、鋭い縦回転のボールを蹴ることができます。また、名波浩選手(現:日本代表コーチ)は、ボールに対して真っ直ぐ入る助走から、骨盤の回旋に併せて蹴り足をスパーンと内側に振り抜いたインステップキックを蹴ることができるのが印象的でした。ケヴィン・デ・ブライネ選手のインステップキックやインフロントキック、フィルジル・ファン・ダイク選手のインサイドキックのように、骨盤の回転と連動した蹴り足を振り抜けるキックを持つことは理想的だと考えています(図57)。
キックは、フォームを意識することのみで改善するのは難しい場合も多く、また必要な可動域や筋力が足りない状態で力感の強い動作を反復すると、ケガの原因になる可能性もあり、コア・ユニットを中心とした「基礎体力」の改善が必要になると思います。また、骨盤の回旋が連動する動きは、スプリントや方向転換の速い選手の動きの特徴でもあり、肩甲骨や腕を含めた上半身の動きも必要になるため、「基礎体力」を改善しながらキックの技術を洗練化していく中で、サッカーのプレー全般に好影響をもたらす可能性があります。
全文は『サッカー フィジカルのプレーモデル』からご覧ください。
【商品名】サッカー フィジカルのプレーモデル
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2024/04/16
【書籍紹介】
これまでになかったサッカー選手のための自重をコントロールする「基礎体力」の型
世界で活躍するトップ・オブ・トップのサッカー選手の動作的特徴として、「スプリント」「減速・加速」「方向転換」の速さが挙げられる。それらを支えているのが、「弾むバネ」「沈むバネ」「しなるバネ」の3つのバネである。また、身体的特徴として、「上半身の姿勢の良さ」「腹~腰回り、下腹部の筋群の発達」「自由度の高い股関節」がある。本書では、現代サッカーを制するために必要不可欠な3つのバネの作り方を中心に、中学生年代から大学生年代かつプロ選手まで適用できる、これまでになかったサッカー選手のための自重をコントロールする「基礎体力」の型を提示する。
【関連記事】
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