アルゼンチンに見る育成システムの違い。若手の才能が飛躍する育成法
2015年04月10日
コラム欧州のトップリーグで活躍できるタレントを、常に輩出しつづけるアルゼンチン。優秀な選手を選手を輩出しつづける秘密は、育成年代の柔軟な仕組みにあるという。かつてアルゼンチンの名門、ボカ・ジュニアーズとプロ契約を結び、多くの選手の育成過程を知る亘崇詞さんの言葉に耳を傾けてみます。
文●海江田哲朗 写真●Getty Images
細分化されたカテゴリーから生まれる可能性
日本のクラブの育成組織は、ジュニア(小学生)、ジュニアユース(中学生)、ユース(高校生)という3つのカテゴリーに分かれている。一方、アルゼンチンのクラブでは、これよりずっと細分化されている。
「最も下のカテゴリーが9軍(14歳)。そこから年齢別に5軍(18歳)まであって、4軍はプロの入り口ということで特別に17歳と18歳が同居するんです。また、12歳以下はクラブ主導ではなく、地域のサッカー協会が取りまとめて、こちらも同じく1歳刻みでトレーニングしています」
各カテゴリーの垣根は日本より低く、毎日のように交流試合が行われ、ときにトップと5軍が練習試合を行うことも珍しくないそうだ。
「下のカテゴリーの選手が多くのことを学べるのは当然として、上の選手でも単に相手をしてあげているわけではありません。きちんとテーマを持って試合に臨み、新たに発見することもある。そこで、若くても能力があると認められれば、すぐに上のカテゴリーへ引き上げられる仕組みです」
日本でも、その数は決して多くないが、14歳でユースの試合に出たり、若くしてJリーグデビューを果たす選手はいる。だが、違うのはここから先だ。
「上のカテゴリーに入って、『どうやらまだ難しそうだな』と指導者が感じたときどうするか。アルゼンチンでは、あっさり元のカテゴリーに戻すんです。選手はレベルの違いを肌で感じられ、それはそれで有益だと考える。また、上でプレーできるように練習すればいいんですから」
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