日本と世界の少年サッカーの違い。日本の子どもは「コーチに従うだけ」「サッカーに時間を費やしすぎ」

2017年09月20日

コラム

ジュニアサッカーの現場にはさまざまな疑問や悩みがつきもの。指導者から子ども、そして保護者の方々が抱くものを、ファンルーツの指導者たちがアドバイスします。今回は、ジュニア年代での世界との違いについて2つの疑問を解決します。

(再構成・写真●ジュニサカ編集部、佐藤博之)

『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.33』より転載


Q1

ジュニア年代における世界と日本の違いはどんなところですか?


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日本の子どもはコーチに従うだけ

 近年ではジュニア年代の国際大会も増えてきました。私たちでも海外のクラブを招待して、日本のジュニアチームと対戦する「COPA PUMA TOREROS」という大会を開催していますが、このような大会では、日本のクラブが上位に入賞することも珍しくありません。なぜ勝つことができるのかというと、日本の子どもたちは 大人の与えた指示やアイデアを忠実に実行するため、海外のクラブよりも優位な試合運びができるからなのです。
 
 私が以前、海外遠征に行ったとき、欧州のコーチから「日本の選手はみんな似ているね」と言われたことがあります。子どもたちが画一的な指導方法を受けていて、大人に教え込まれている選手が多いという意味なのです。

 来日した外国人のコーチなども、「日本の子どもたちは、みんないい子だ。コーチの話しを聞くときには、ちゃんと話し手の目を見ることができるし、指示された練習もきちんとこなしている」と口を揃えます。

 一見ほめられているようにも聞こえますが、裏を返すと、「日本の子どもたちは個性や面白味がない。コーチに従って、そのままやっているだけだ」と言っているのです。

 欧州や南米の子どもたちは、小学生のうちから大人に教え込まれる機会はそうありません。子どもたち同士の遊びの中から相手との駆け引きを自然に身につけていくのです。個々のキャラクターや自我の芽生えている子も多く、厳しい態度をとる大人に対しても自分の考えをしっかりと伝えることのできる子が目立ちます。

 技術面でも、ドリブルやキックなどに自信があれば、自分の得意技として伸ばそうという意欲を強く持っています。苦手なところを克服するためのトレーニングはあまり行いませんが、得意なところについては積極的に練習して、将来的に自分のストロングポイントになるように磨いている子が多く、指導者も得意技を伸ばすような手助けをしているのが伺えます。

 だからといって、日本の育成環境が悪いということではありません。指導者の質の高さは世界のどこへ行っても引けをとりません。日本人の持つ緻密さや勤勉さは世界に誇れるものです。ゴールを目指すまでの過程を細分化して考えていくのは、他の国の指導者にはなかなか真似をすることができません。
 
 こうした日本人の良さは、指導者に限らず、いま世界で活躍しているプレーヤーにもいえることだと思います。彼らは外国人選手の持っていない日本人特有の長所を活かしているのです。香川真司選手の俊敏さや、長友佑都選手のような90分間ハードワークできる運動量などは、日本人の技術の確かさやメンタリティを持って成功しているケースといえるでしょう。

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