コラム

ジュニア年代でPKの練習は必要ですか?

2012年04月03日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは「ジュニア年代でPKの練習は必要ですか?」です。

◎練習(トレーニング場面での悩みやギモン)

qicon
(質問者:小学5年生コーチ)

先日、チームははじめて地区大会(5年生)の決勝戦に進みました。結果は0-0の末、PK戦に。実はうちのチームの5年生は公式戦でこれまでPK戦を経験することがありませんでした。私自身も指導のうえで、PKというものをあまり重視しておらず、遊び程度で子どもたちとやることだけでした。その結果かどうかわかりませんが、子どもたちはガチガチで、誰ひとりPKを決めることができず、負けてしまいました。ジュニア年代ではPKも指導しなければならないのでしょうか。またPKに関する効果的な練習法はありますか?

qicon
PK戦で勝利するために行うのではなく、
平常心でプレーするための練習をしよう

 実は、育成年代でPK戦を行わなければ、次の試合に進めないというシステム自体が問題ではないかと私は感じています。
 私がよくやるトレーニングがひとつあります。それは、練習の合間や終りに、全員が見ている前でPKを蹴るもの。仲間がずらりと並ぶ前で蹴るのは、子どもにとってはかなりのドキドキ感を伴います。ただし、それは「PKがうまくなるために」ではなく、「いつも平常心でプレーするために」という目的で行うものです。大会でPK戦があるから、それに勝つために、という目的ではありません。

 PKの技術というよりは、育成年代は「どんな相手と戦っても自分の力を出せる」ことに重心を置いて指導してほしいもの。ひとつひとつの練習を「勝つために」という目標を第一に行うのではなく、子どもたちのどの部分を育てるかを熟慮して行ってください。そして、子どもたちにも平常心でボールを蹴る、プレーすることの重要性を話してもいいでしょう。そういった価値観で行うPK練習なら、実のあるものになると思います。

 また、PKに対する考え方もきちんと説明しましょう。なでしこジャパンは昨年のW杯で米国にPK戦で勝利しましたが、記録上PKは「ドロー」です。失敗しても、負けても、両者同点の引き分けまで戦った時間は何ひとつ色あせるものではありません。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

カテゴリ別新着記事

ss



school_01 都道府県別サッカースクール一覧
体験入学でスクールを選ぼう!

人気記事ランキング

おすすめ記事


Twitter Facebook

チームリンク