チーム動画紹介第92回「柏レディースフットボールクラブ」
2013年04月26日
チームデータ今回は千葉県柏市で活動する柏レディースフットボールクラブの練習にお邪魔し、監督の五十嵐正広さんにお話を伺いました。
文●山本浩之
ゲーム感覚を取り入れた練習で楽しみながら上達する
――「柏レディースフットボールクラブ」って、どんなチームですか?
設立は2008年になります。当時から柏市にはジュニアサッカーチームは数多くあったのですが、すべて男の子が中心でした。女の子がサッカーを楽しむには、男の子に混じってボールを蹴るしか手段がなかったわけです。そこで市内で活動する新柏SC、中原SC、光ヶ丘SCがクラブ間の垣根を取り払って、在籍する女子選手を中心に「女の子たちだけでサッカーを楽しむことのできる場所」として柏レディースフットボールクラブをスタートさせました。
――男女混成のチームに在籍したまま「柏レディースフットボールクラブ」で活動をしているんですか?
そうですね。現在は2年生から6年生までの25名がそれぞれの所属チームと掛け持ちをする形で活動をしています。練習時間が重なってしまい、全員が顔を合わせることのできる機会が少ないのは悩みの種ですが、かえって、なかなか会えないことが結束力を高める効果をもたらすのでしょうか。とても仲間思いのチームになっています。
――女の子だけで活動をすることにメリットがあるのですね。
高学年になるにしたがって男女の体格差はひろがります。6年生になるころには、男子の強い当たりに耐えられない女子選手も出てきます。そうなると、好きなサッカーを続けていくことが難しくなってしまいますので、女の子だけのサッカーチームが必要となるのです。ただ、低学年のうちは、やんちゃな男の子たちと一緒になって、たくましさを身につける機会があってもよいのではないかと思います。
――チームの指導方針を教えてください。
選手である子どもたちが主役のチーム。プレイヤーズファーストが基本です。目先の勝利を追求するよりも、本当にサッカーを好きになってもらうことが大切だと考えています。やっぱりサッカーは楽しまなければいけませんよね。ウォーミングアップのときに縄跳びを取り入れているのも、子どもたちの気分を盛り上げて、楽しい雰囲気にもっていくためです。
――子どもたちがサッカーを楽しみながら、技術を身につけられるようにと考えられているんですね。
このチームに所属している選手の中には、週1日だけ練習をしている子やサッカーを始めたばかりの子もいますので、いきなり高度な内容の練習をすると取り残されてしまう可能性があります。そこで、まずは楽しみながら練習に取り組むことができるような遊びの要素を取り入れたメニューで基本技術を習得させてから、それぞれの習熟度にあった内容にレベルアップをしていけるように心がけています。
――具体的には、どのようにしてレベルアップを図るのですか?
伸び盛りの高学年にもなると、今までできなかったことが、ふとしたきっかけで、いつの間にか身につくことがありますので、何かひとつ積極的に取り組めることをみつけてもらいます。ドリブルが好きならば、試合のときに「どんどんチャレンジしてみよう!」とピッチに送りだしてあげます。その時には通用しなくても、自分の得意技として完成させることができるまで、めげずにアピールする機会を与えてあげるんです。その挑戦こそが、自信と個性を身につけた選手へと育てていくのだと考えています。
――小学校を卒業したあとも女子選手がサッカーを続けることのできる受け皿はあるのですか?
柏市は、Jリーグのクラブも擁するようなサッカーの人気がある土地柄なのですが、女子サッカーに対する取り組みは、近隣の松戸市や千葉市に比べると出遅れているのが実情です。残念ながら、彼女たちが中学生になってからもサッカーを続けることのできる環境は、まだまだ整っていません。中学ではサッカーをあきらめて、バレーボールやバスケットボール部で活動をしている子も少なくないようです。それでも、昨年度から、近隣のクラブチームが本格的に女子のジュニアユースを発足しましたし、高校でも女子サッカー部が立ち上がってくるなど明るい兆しが見えてきたところです。
――それでは、最後に「柏レディースフットボールクラブ」の目標とする将来像を教えてください。
女子選手がいつまでもサッカーを続けることのできる環境を確立して、数年後には、県内の有力な女子クラブと肩を並べられるほどに実力と知名度のあるクラブになりたいですね。千葉県全体の女子サッカー熱を高めるための一躍を担い、最終的には日本を代表する選手を輩出できるようなクラブへと成長することが目標です。

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