U-17日本代表を率いる吉武博文監督に聞く!  「蹴る」技術の重要性【後編】

2013年10月27日

コラム

日本はまだ「止める」、「蹴る」という基本術が足りていないと話すU-17日本代表の吉武博文監督。後編では日本をベスト8に導いた2011年の「FIFA U-17ワールドカップ」での準々決勝、ブラジル戦のエピソードなどを通し、「蹴る」技術をより正確にするための術などを聞く。

文●後藤勝 写真●編集部

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.26秋号』P51-56より転載

 


キックにおける世界との決定的な差とは?

──そもそも、精度自体がビシッと正確に、というところまで行っていない気もします。2011年の「FIFA U‐17ワールドカップ」で精度の差を痛感した場面はありましたか?

キックは(準々決勝で敗れた)ブラジルと明らかに差がありました。具体的には、1点目をコーナーキックで失点した場面です。僕らも仕事ですから、どの選手がキッカーとなって、どういったコーナーをあげてくるかなど相手を分析して、ブラジル戦までの2日間にコーナーキックの練習を織り込みました。彼らには、左からのコーナーキックは10番が右足で蹴ってきて「ここ」に合わせてくるから、と言っていたんですが、失点した。

ハーフタイムでゴールキーパーとセンターバックの子に「どうだった?」と訊いたら「いやー、本当に言われたところにボールが飛んできました」と。がくっとしますよね(苦笑)。この2日間、言ってきたでしょう、と。でも彼らは言われたとおりの場所に寸分違わずブラジルの選手が蹴ってくるとは思っていないわけです。日本の国内でやっているコーナーキックはそのレベルということですよ。狙ってもボールが半個、2個ずれる。でも彼ら(ブラジル)は止まったボールをそこに蹴れと言われたら100回同じところに蹴れるんです。日本は90回蹴れるかもしれないけれども、世界では蹴れない部類に入ってしまう。そのくらい違います。

日本の試合ではその精度の差が試合の結果にあらわれないから、できているつもりになる。ベスト8になりました、結果がよかったからサッカーの技術もよくできるのでしょうと言われると、それは違うと思います。これからもよい結果を出しつづけるためには、もっと技術の向上を図らないといけない。

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