サッカーで多忙な子どもたち。小学生年代でフットサルに取り組む価値とは何かを考える

2016年09月02日

コラム

昨今、子どもの夏休み期間中の忙しさについては度々話題になる。塾の夏期講習や習い事との兼ね合いで家族旅行をしたり、友達と遊ぶ時間もほとんどない子もいると聞く。そういった現象はサッカー界も例外ではない。むしろ、夏休み期間中にいわゆる「サッカー漬けになっている」という子どものエピソードは様々な場所で耳にする。そういった現象は、サッカー界、またはフットサル界にとってプラスに働くのか。8月12日から3日間にわたり行われた「バーモントカップ第26回少年フットサル大会」に出場した指導者たちの言葉から考察する。

(文●山本浩之 写真●ジュニサカ編集部)


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夏休みにサッカー漬けになる子どもたち

 ジュニア年代のサッカーやフットサルを取材していると、毎年8月は多くのサッカー大会が開催され繁忙期になる。昨年度から全日本少年サッカー大会が夏から冬に移行したことはいえ、夏休みの時期を利用して、サッカー少年・少女たちが参加する大会が多く行われている。

 最近は大会の会場などで指導者の方と話をすると、「子どもたちがサッカーに忙しい」といった話を聞くことが増えた。年間スケジュールの変更によって冬から夏に移行したフットサルの全国大会『バーモントカップ』。8月12日から行われた「バーモントカップ第26回少年フットサル大会」の会場でも、そんな話を聞いた。

 出場チームの指導者に取材をしていて、たびたび耳にしたのが「トレセン」という言葉だった。ここで言う「トレセン」とは、8月3日(水)から8月7日(日)までの5日間に渡って、静岡県御殿場市にて開催されたJFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12(※以下、FFP)のこと。

 2014年まで全日本少年サッカー大会が開催されていた期間はバーモントカップではなくFFPが埋めている。47都道府県(東京都は2チーム)のトレセンから選抜された768名の選手が参加しており、バーモントカップのプログラムを調べてみると、JFAから発表された参加者リストにも名前の載っている選手は10%(全669名中65名)ほどいる。

 そしてバーモントカップが終わっても、すぐ次の日から各地で大会が開催されることもあれば、週末の大会の準備に入るチームもあった。つまり子どもによっては、FFPに参加したあと、すぐ週末にバーモントカップ(8月12日から14日)があり、さらに翌日から、全国規模の大会に出場することになった選手も少なくないということだ。

「子どもたちがサッカーに忙しいのは気がかりなところです。うちの選手も トレセンに3人の選手が行っていましたし、Jクラブのスクールに通っている子もいて韓国に遠征していました」

 こう話してくれたのは、今年度のバーモントカップで優勝したセンアーノ神戸Jr(兵庫県代表)の大木宏之監督。選手たちがほかでもサッカーをやっている状況では、チームがいくら休日を設けても効果は期待できない。そこで、選手自身が健康状態を把握できるように、食事と体重の自己管理を指導することから始めている。

「うちもそうですね。選手は(別のクラブで)サッカーをやっているのでスケジュールはタイトです」

 昨年度のバーモントカップで優勝したブリンカールFC(愛知県代表)の古居俊平監督もこう話す。今大会は、子どもたちに良いコンディションで臨んでもらいたいと考え、「誰が出てもやれる」というチームに仕上げる工夫をし、大会に臨んだという。

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