サッカーで多忙な子どもたち。小学生年代でフットサルに取り組む価値とは何かを考える

2016年09月02日

コラム

フットサルの良さを欠落させてしまうものとは

 3人の指導者の話に共通しているのが「フットサルによって判断力が身につく」と言うこと。だとすれば、子どもたちが、これから将来の夢に向かってサッカーやフットサルを続けていくうえで、ジュニア年代でフットサルに取り組むメリットは大きいと言える。サッカーやフットサルにおいて『判断力』や『決断力』といった、いわゆる選手のインテリジェンスに関わる部分が重要なのは周知の通り。

 それだけに、子どもたちが純粋に勝利を目指すバーモントカップのようなフットサル大会の存在は貴重になってくる。都道府県大会に挑戦して全国大会を目指すことや、勝ち抜いて代表となり全国のチームと強度の高い試合をすることは、フットサルに取り組むチームや選手にとって推進力となることだろう。

 ところがジュニア年代は、サッカーでもフットサルでもフィジカルな部分が勝るところがある。身体の大きさ、キック力、足の速さを全面に押し出すことで勝ち上がっていくチームもいる。サッカーチームが即席でフットサルに取り組んでも、これまでのサッカーの経験やそうした部分に頼れば、試合で勝つことは可能かもしれない。

 しかし、そうなってくると肝心な判断力を必要とするシーンがゲームから欠落してしまう恐れがあるのだ。子どもたちがフットサルの良さを吸収することができないのならば、なにもサッカーの忙しい合間にフットサルに取り組まなくてもよいではないか。そういう話になってくる。育成年代のタイトルがかかっている試合の難しいところかもしれない。

 フットサルによって子どもに判断力が身につくといっても一朝一夕というわけにはいかない。だからこそ、指導者と選手がしっかりとフットサルに向き合える時間が必要になってくる。フットサルやバーモントカップが、サッカーの活動でタイトになっているスケジュールの合間に開催されるのではなく、子どもやチームが余裕をもって試合に臨める環境づくりが今後は求められてくるのではないだろうか。

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