100年続くスポーツクラブを作るために 今すぐ “法人格”を取得しよう!
2013年03月29日
コラム目的に合った法人格を選ぶために
では、地域スポーツクラブが法人化を検討するにあたり、一体、どの法人格が適当なのでしょうか? 少なくとも私益を目的とする株式会社ではないことはご理解いただけると思います。実際にスポーツ振興基本計画において「総合型地域スポーツクラブはNPO法人等の法人格を取得すること」と明記されたことにより、地域スポーツにおいてはNPO法人が第一の選択肢となっているようです。
ただし、2008年に新しい公益法人制度がスタートしたことにより、地域スポーツ団体の法人化の選択肢には、NPO法人に加えて一般法人(一般財団法人、一般社団法人)という新たな選択肢が誕生しました。スポーツ振興基本計画が発表された2000年当時は、地域スポーツ団体が過度な負担なく、取得できる法人格はNPO法人しかなかったのが現状でしたが、現在では「非営利」という枠組みで考えれば一般法人もその対象となるのです。
法律論上、NPO法人と一般法人とでは、その目的が違うことには十分注意しなければなりません。NPO法人の目的が公益である一方、一般法人の目的は「公益を目的としなくても良い(ただし、共益を含む)」という解釈となっています。一般法人が本来の意味で公益目的となるには、公益認定法に基づく審査(公益認定)をクリアし、新しい公益法人(公益財団法人、公益社団法人)になければなりません。
しかし、「公益を目的としなくても良い」という定義は裏を返せば公益を目的としてもよいとも解釈することができ、公益法人と同様な組織形態で運営することも可能です。
どの法人格が最適かということについては、各々の皆さんの目的を考慮し、その仕組みを理解しなければなりません。逆にいえば、その違いをしっかりと理解することが、今、私たち地域スポーツクラブ関係者に求められています。「とりあえず周りがNPO法人格を取得しているから」ではなく、皆さんのクラブの目的がより組織運営に反映さやすい法人格を選択することが、今後の法人運営をより効果的に進めるカギとなるのです。
※『地域スポーツクラブの“法人格”を取得しよう!―理想のクラブ運営ガイド―』より抜粋
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この続きは『地域スポーツクラブの“法人格”を取得しよう!―理想のクラブ運営ガイド―』(4月3日発売)をご覧ください。
(著者プロフィール)
谷塚 哲(やつか・てつ)
REGISTA有限責任事業組合代表。行政書士、スポーツ経営コンサルタント。1972年埼玉県生まれ。順天堂大学卒業、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。行政書士資格を取得後、2005年にスポーツ法務事務所/谷塚行政書士事務所を開業し、プロスポーツから地域スポーツまで幅広く業務を展開中。著書に『地域スポーツクラブのマネジメント』『地域スポーツクラブが目指す理想のクラブマネジメント ソシオ制度を学ぶ』(小社刊)などがある。
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