【ダノンネーションズカップ2013】決勝大会 決勝レポート
2013年04月01日
ダノンネーションズカップ2013 in JAPAN横浜F・マリノスプライマリーが初優勝、
ロンドンで開催される世界大会の出場権つかむ
「ダノンネーションズ2013 in JAPAN決勝大会」は3月31日(日)に駒沢オリンピック公園で最終日を行い、決勝戦は横浜F・マリノスプライマリー(神奈川県)が2-1で名古屋グランパスU12(愛知県)を下して初優勝を飾った。横浜FMプライマリーは、今秋ロンドンで開催される世界大会に日本代表チームとして出場する。
対戦チームの監督のほとんどが実力負けを認める、圧倒的な強さだった。予選リーグを首位で突破した横浜FMプライマリーは、決勝トーナメントを無失点で勝ち上がった。大宮アルディージャジュニア(埼玉県)、三菱養和サッカークラブ巣鴨ジュニア、東京ヴェルディジュニア(ともに東京都)を次々と撃破。
決勝戦は、守備の要となっていた4番・岩井龍翔司君が前半に豪快な直接FKを決めて先制。強烈な弾道に会場はあ然。さらにストライカーの7番・佐藤宇君がゴール前での巧みさを見せて追加点を挙げ、リードを広げた。後半にPKを献上して1点を返されたが、2-1のまま試合を押し切った。
西谷冬樹監督は「試合の主導権を握って、良い内容で優勝できた。大会の素晴らしい雰囲気によって、日々の練習の成果だけではなく、潜在能力のようなものを見ることができた。岩井のFKは、これまで味方に合わせる良いキックはあったけど、直接決めることはあまりなかった。あの喜びようを見てもらえば、普段はあまり出ないプレーだということが分かるでしょう」と愛弟子たちの成長に目を細めた。
岩井君は個人として大会MVPも獲得。「FKが決まったときは、頭の中が真っ白だった」と興奮気味に語った。優勝で得た自信は、次の挑戦へのエネルギーとなる。追加点を決めた佐藤君は「得点を多く決められたことは良かったけど、縦パスを受けてつなぐプレーはミスが多かったので直したい」と向上心を見せ、中盤で攻守に活躍した10番・中村斗星君は「今まではパスをつなぐことばかり考えていたけど、この大会では自分の武器であるドリブルを生かせた場面が多かった。世界大会では日本でつかんだものを出し切って『世界に通用するマリノス』を見せつけたい」と大舞台でのさらなる飛躍を誓った。
また、決勝で惜しくも敗れた名古屋U12も健闘が光った。主力の田邉光平君が病気のために出場できない中、チーム一丸で決勝へ進出。準決勝で2ゴールを挙げた石田凌太郎君が接触プレーで脳しんとうを起こして病院へ向かったため、決勝戦は不在。佐賀洋司監督は「大会が始まる前は(18位以上で)シード権を獲得できればいいなと思っていましたが、ここまで戦えたことに、選手たちには胸を張ってもらいたい」と力闘を称賛。松山竜也君は「試合の入りが悪く、押し込まれて体を張れなかった。ケガをしている選手をロンドンに連れて行きたかった」と悔しがり、PKを決めた新玉瑛琉君は「出られない人の分まで頑張ろうと思ってプレーした。負けたことを次につなげて、今度は絶対に勝ちたい」と次の舞台での再挑戦を誓った。
なお、11位となった江南南サッカー少年団(埼玉県)の高田颯也君が通算9得点で得点王となるなど、敗れたチームにも輝きを放った選手たちがいた。決勝戦は、参加選手のほぼ全員がピッチ上で観戦。大いに刺激を受けた様子だった。個性豊かな選手が華々しい大会の中で秘めた才能を垣間見せ、大人顔負けの闘志をむき出しに全力でプレーした2日間は、また次への一歩となるに違いない。
(文●平野貴也)
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