メキシコ発ドリブル指導法 ストリートサッカーからの進化を図る徹底した基礎トレーニング
2013年06月22日
サッカー練習メニュー現在、メキシコのクルス・アスル選抜スクールでU-10、U-12の監督を務めている西村亮太さん。クラブの指導方針はパスサッカーに基づいているが、ドリブルに関しては、徹底した反復練習を行っているといいます。それではドリブルの指導法は実際どういったものが行われているのか――。今回はメキシコのドリブル指導法に迫りました。
文・写真●西村亮太
※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.28春号』P42-46より転載
自分の体をうまく操れない選手が、ボールをうまく操れるわけがない
ここメキシコでは、ドリブルのテクニックについて考える際に「自分の体をうまく操れない選手が、ボールをうまく操れるわけがない」ということが大前提としていわれています。そのためにも、まずはコーディネーション能力を高めることが重要視されています。
しかし一言にコーディネーション能力といってもさまざまな能力に分類されます。それらの中で重要とされているのがバランス能力(崩れた姿勢を立て直す能力)、変換能力(状況の変化に合わせてすばやく動作を切り替える能力)、連結能力(関節や筋肉の動きをタイミングよく同調させる能力)、定位能力(動いているものと自分の位置関係を把握する能力)の4つの能力です。
これらの能力の獲得を幼少期からさまざまな運動経験を積むことによって促し、それを土台にドリブルの技術を上積みするという流れで、テクニックの習得へ入っていきます。
そのドリブルテクニックは、メキシコでは大きく2つに分けて考えられています。1つはボールを運ぶドリブル、もう1つは相手を抜くドリブルです。
両者に共通しているのは、ボールをタッチする部分に関して基本的なセオリーがあることです。例えば、ボールを運ぶ(動かす)場合は、ボールタッチがより自然な体勢(走る姿勢に最も近い。つまりボールがあるときとないときのスピードの変化の差が少なくなる)という理由からアウトサイドでのタッチが基本とされています。逆に進行方向を変えるために用いるのはインサイド。また、急な方向転換やボールを相手から守る際には、足の裏でのボールタッチが非常に有効であると考えられており、アウトサイド、インサイドに劣らず重要とされています。
実際、メキシコ人選手は相手を背負った状態でボールキープするときに、足の裏でボールをコントロールする選手が多いです。周りを見るためにボールから目を離しても足の裏で触っているとボールを常に感じることができるし、360度どの方向にも小さくすばやい動作でボールを動かすことができるという考えに基づいています。
相手を抜くドリブルに関しては、ディフェンス(DF)を突破するという目的の達成方法として、スピードで相手を上回るものとフェイントを使って相手をだますものの2つに分けられます。ドリブルだけに限らず、この「相手をだます」という考えはメキシコサッカーにおいて非常に大切だとされています。そしてこの2つに共通する大切な要素としてタイミングと、最初に述べた4つのコーディネーション能力があげられます。
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