お父さんコーチ必見! ドイツ人指導者が伝授する子どもが楽しむための環境づくりとは?

2013年10月08日

コラム

1つのオーガナイズで100のバリエーション!?

それでは、実際の研修会でどんなトレーニングが行われたのだろうか。次の図は、コントロールを意識したトレーニング(オーガナイズ)である。

これは各コーナーにいる選手からボールを中にいる選手にパスをして、しっかりファーストコントロールをし、ドリブルしながらボールが出たコーナーに戻っていく、非常にベーシックな練習である。いわばこれが、STEP1とする。さて、ここからさらに難易度をあげるようなバリエーションをどのようにしていくかは、読者のみなさんにも考えてもらいたい。

どんなバリエーションが浮かぶだろうか。クラウス氏によれば、「私であれば、1つのオーガナイズで100のバリエーションを作ることができます」とのことだ。
実際、クラウス氏が見せたバリエーションは次のようなものであった。

(中でボールを受ける側)
・中でボールを受ける選手が、一度逆の対角にあるマーカーを一周して、戻ってきたときにボールを受ける。
・中でボールを受ける選手が、ボールが来た方向に返すのではなく、自分から見て左の(外側の)コーンにいる選手に向けて、コントロールしてパスをする。

(外からボールを出す側)
・ボールを外から出す選手は手で浮き球を投げてあげる。
・ボールを外から出す選手は足で浮き球を渡してあげる。
・ボールを外から出す選手は自分の利き足ではないほう足でパスを出す。

あくまでも一例として、今回は少し紹介していただいたが、たとえシンプルなオーガナイズひとつにとっても、トレーニングが徐々に難易度を増すことで、中でボールを受ける選手だけはなく、外からボールを出す側にも役割が与えられ、より精度が求められるトレーニングになっていった。もちろんたくさんのバリエーションを行わなければならないということではない。

「まずトレーニングを行う上で考えなければいけないのは、そのトレーニングでなし得たい目標、ゴール、目的などです。そしてトレーニングを行いながら子どもたちが簡単に状況を解決できているようであれば、トレーニングを複雑にしたり、バリエーションを増やしたりします」(クラウス氏)

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