そのコトバ、本当に大丈夫!? コーチングのプロが語る会話術~親子の会話から変えてみよう!【前編】

2013年11月20日

コラム

「あの場面はこうしたら?」気づいてほしいことを、どう伝える?

「もっと積極的にシュートに行ったら?」とか、「あそこはダイレクトでいかなきゃ!」など、子どもの試合を観た後に、親はつい言いたくなりますよね。

 けれど、相手を評価、批判、忠告する言葉には、すべて、「あなたは不十分だ」という意味が含まれています。プレーしている子どもにとっては、一番言われて嫌なことでしょう。

 ただし、これらが効力を発揮することもあります。それは、相手が求めたときです。前置きもなくいきなりアドバイスしても「うるさいな!」となるだけですが、必要としている情報をもらって、それが有効だとわかれば、子どもは聞く耳を持つのです。

「今日、お父さんはスタンドで見てるけど、どういうところを見ててほしい?」

「じゃあ、僕の位置取りを見ててくれないかな? あとで、教えてくれる?」 となれば、それは子どもが求めているアドバイス。

「あのとき、こう動いたよね。でも、こっちにカバーへ行ったほうがよかったかもしれないよ」

「そうだよね。僕もわかってたんだけど」

 これなら子どもに「お父さんは僕のために必要な情報をくれている」という感覚がわきますよね。そうなったら「それ以外にも気づいたことあるんだけど、言おうか?」と、さらに続けることができます。

 このやりかたは、フィードバックといって、僕たちプロのコーチにとっても難しい技術です。ひとこと言いたくなる気持ちもわかりますが、相手がアンテナを立てていないときのアドバイスは余計なお世話。子どもには届かないということは、心しておいた方がいいでしょう。
 


 
【SCENE2/試合中、ウチの子だけ走りきれてない。どうする?】

×「みんなあんなに走ってるのに、なんでおまえだけ走れないの?」
◎「気づいてないかもしれないけど、1年でずいぶん持久力上がってるよ」

▼ポイント/自分軸の成長で比べよう
他人との比較ではなく、以前の本人と比べた会話をしましょう。1年前より、絶対うまくなっているところがあるはずです。また、人間は自分の成長を自覚していないもの。それを思い起こしてあげるのもコーチ(親)の仕事です。次への学習意欲が一番高まるのは、自分の成長を自覚できたときなんです。

03

(後編へ続く。次回は11月21日更新予定)


プロフィール
谷口貴彦(たにぐち・たかひこ)

1959年生まれ。プロ・コーチとして2003年に独立。コーチ・セブンピースを立ち上げる。独立1年目に執筆・監修した『実践 親子会話術』が話題となり、以降、セミナーや講演依頼が殺到。ユーモラスな内容で好評を博している。著書に『ザ・コーチ The Coach ─最高の自分と出会える「目標の達人ノート」』(プレジデント社)。
コーチ・セブンピース公式サイト

 


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