自発的な子どもを育てるためのサポート術

2014年05月12日

コラム

環境が変化して子どもたちの質、タイプも多様になりました。昔は多くいた活動的な子どもが減り、現代的で受身な子が増えて親や指導者も対応に苦しんでいるのではないでしょうか? そこで今回、「自発的な子どもを育てるためのサポート術」についてのお話を紹介します。

文●元川悦子 写真●編集部

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.12春号』P073-075より転載


環境や子どもの変化を受け止め、より良い方法を模索する

 この10~15年で、子どもの質が急激に変化しているといわれる。昔は大家族で、近所の人や友達とも交流があるなど、人間関係が濃密だった。が、今は少子化が進み、テレビゲームや携帯電話の普及もあって、家族とさえロクに話をしない子どもも少なくない。

 サッカーの練習を見ていても、一人でドリブルする子、シュートを決めても喜ばない子、勝っているかどうかも気にならない子が沢山いるという。そんな環境や子ども自身の変化を念頭に置きながら、親や指導者は彼らと対峙する方法を模索しなければならないのだ。

 「私が30年近く子どもを教えてきて思うのは、今は説明を求める子がすごく多いこと。『どうして?』『この練習にはどんな意味があるの?』『これで何がうまくなるの?』と聞いてくるケースが圧倒的に増えました。

 が、私はすぐに答えを教えません。『今日はドリブルだよ』と言えば、『僕はそんなのやりたくない。シュートの方がいい』と言い返して、やる気をなくす子もいます。そうなると、練習も組み立てにくい。だから『サッカーだよ』としか答えないことにしています」

 答えを求める一方で、自分たちの説明能力は下がっている。それも最近の子どもの特徴だ。物事を論理的に組み立て、自分の考えを伝えることを苦手とする子は多い。

 「日本サッカー協会が「ロジカルコミュニケーション」という言葉を使っていますが、それを養う一例として、シュートゲームがあります。我々指導者が説明するのは、二人一組で相手の足の間にボールを通したら1点というルールだけ。『二人の距離、足の幅をどのくらい開くかは自分で決めましょう』と話します。それでデモンストレーションをしますが、私は足を閉じて立ちます。『それじゃ入らない。開いてよ』と子どもが言う。手を広げると『そうじゃなくて』と反応する。「開いてよと言われても分からない」とこちらは話します。すると子どもは『足』と言う。私はつま先を開きます。『違うよ。股だよ』という声が飛んでくるので、今度はがに股みたいに開く……。こんなやり取りを通じて、何をどうしたいかを言葉で説明してもらうんです」

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