メッシ、アグエロ、ディマリア・・・アルゼンチンでスキルの高い選手が育つ理由
2014年07月21日
コラムリオネル・メッシ選手(バルセロナ)をはじめ、セルヒオ・アグエロ選手(マンチェスター・C)、アンヘル・ディマリア選手(レアル・マドリード)ら優れた選手を輩出してきたアルゼンチン。2008年の北京オリンピックでの金メダル獲得やU-20W杯で連覇をするなど若年世代が結果を残し、その後の2014ブラジルW杯で24年ぶりの決勝進出につなげています。そこで今回はトップクラブでインファンチル(ジュニア)を指導した現役コーチ、ミゲル・アンヘル・ビジャモンテ氏から学ぶ、アルゼンチンの育成事情や高いスキルを身につけるためのポイントを紹介します。
文●岩本勝暁 写真●Getty Images 取材協力●ボカジュニアーズ日本支部
『ジュニアサッカーを応援しよう! vol.18』P060-062より転載
都市化や治安の問題でサッカーをできる環境はクラブだけ
――まずは日本のジュニア年代に対する印象から教えてください。
私がこれまで見てきたのは、サッカーを学ぶためにアルゼンチンに留学してきた日本の子どもたちです。当然のことながら、どの子もモチベーションが高い。
テクニックに優れた子も多くいました。ただし、メンタル的にはアルゼンチンのサッカーには合わないかもしれませんね。アルゼンチンはハングリー精神が強く、少々荒っぽい選手が多いですから。
――アルゼンチンのジュニア年代は、どのような環境で練習しているのですか?
まず、今と30年前とでは、大きな違いがあります。特にブエノスアイレス州でも、その中心となる都市部ですね。人口が集中する地域ですが、私が若い頃はまだ公園も多く、ストリートサッカーをするスペースがいくつも存在しました。
しかし、近年は都市化と治安の問題で、なかなか外に出て自由にサッカーをできません。そのため、都市部の子どもたちにとって、本気でサッカーができる唯一の環境はクラブだけになりました。
――優秀な選手を輩出しにくい環境になっているのですか?
ブエノスアイレス州でも郊外の貧しい地域では、まだストリートサッカーが盛んに行われています。このあたりでは、誘拐などの被害もありませんから。
ストリートサッカーであれば、平日を5日間と考えると、サッカーをする機会が午前と午後で10回も与えられます。それに対して、都市部の子どもたちはせいぜい2回。
サッカースクールは各所に存在しますが、あくまでも習い事の範疇にしかすぎません。都市部から出てくる選手というのは、父親が元選手といった遺伝的に優れた子どもたちだけ。
一方で貧しい地域の子どもたちはストリートサッカーで学び、12歳になったときに選ばれた者だけがクラブで選手として育成されます。
マラドーナをはじめ、メッシやテベスといったアルゼンチンを代表する選手のほとんどが、郊外の貧しい地域の出身です。
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