【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014 特別コラム】やはりバルサは世界レベル。その世界を相手に日本のチームが通用したこと、しなかったこと

2014年09月01日

コラム

日本のチームが改善したいオフ・ザ・ボールの動き

 それでも試合ごとに強さを増す今大会のバルセロナは、日本のチームにはまだ改善の余地があることを示してくれた。その1つはオフ・ザ・ボール時の選手の動きである。

 バルセロナはどの試合でも敵陣に押し込む時間帯を長く作っていたが、そんな状況にあっても最終ラインには必ず3人が残っていた。例えば自分たちが右サイドから攻めて押し込んでいる場合、バルセロナの右SBは高い位置を取っているが、逆サイドの左SBはスライドしてCB2人と同ライン、もしくは少し高い位置を取っていても中寄りに絞ってきていた。

 一方で、日本のチームの多くは、自分たちが攻めている時(もちろん、負けていて攻勢に出る際は別だが)、どうしてもボールのある場所に関係なく両SBが上がってしまい、DFラインにCB2人だけが残ってしまっていることが多かった。

 また、バルセロナの中盤では「ピボーテ」と呼ばれるアンカーの選手が状況に応じて前線に上がることがあるのだが、その際には中盤の別の選手が彼の空けたスペースを埋めていた。逆に言えば、ピボーテの選手は他の中盤の選手が下がっている時にしか攻撃参加を見せなかった。

 これは守備のことを考えながら攻撃していることを意味しており、各選手がボールを持っていない時にもチームのバランスを考えながらプレーしている証拠である。さらに、選手各々が味方の場所、空いているスペースの認識を持ちながら試合を戦っている。一方、日本のチームはマイボールの時に味方が空けたスペースを他の選手が埋めるということは少なく、結果的にバランスを崩してカウンターの餌食となってしまっていた。

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