選手の心をつかむ! モウリーニョ流人心掌握術

2014年09月26日

サッカーエンタメ最前線

選手から絶大なる信頼を得ている世界的な指導者といえば、ジョゼ・モウリーニョの名前はすぐにあがるかもしれません。そんなモウリーニョの哲学がつまった書籍が発売となりました。今回はその一部からモウリーニョ流人心掌握術を紹介します。

『勝ち続ける男モウリーニョ』より一部転載


チームには『勝てる』という自信が充満している

 モウリーニョは「勝者のメンタリティ」を自身の「DNA」と呼んではばからない。イングランドのメディアで「勝者のメンタリティ」という言葉が定着したのも、モウリーニョが最初にチェルシーにやって来た2004年以降のことだ。第1期後半の2006年に加入したジョン・オビ・ミケルは指揮官の影響力をこう語っている。

「移籍したばかりの頃はショックを受けた。自分は勝利意欲の高い方だと思っていたら、チェルシーでは、ジョゼをはじめ、勝者のメンタリティが染みついているJT(ジョン・テリー)とかランプス(フランク・ランパード)とか、試合に勝った直後から、もう次の試合で勝つことしか頭にないような選手に囲まれた。『何なんだ、こいつら?』と思ったよ(笑)。チームには『勝てる』という自信が充満していると感じた。自信があれば、不可能が可能になることだってある。クラブハウスを歩く姿を見ているだけで、監督の意欲と自信が自分にも乗り移るような気がした。実際に、同じ意欲と自信を選手に植え付けたいと思っているんだと思う」

 モウリーニョは、見て学ばせるだけではなく、直接的に選手の心の琴線にも触れる。そこには、強引さと繊細さの絶妙なバランス感覚が要求されるが、人心掌握の名手は巧みに強弱をつけてみせる。ハードな時には徹底的にハードだ。アンプをボリューム全開で鳴らすロックギタリストさながらに、迫力ある音圧で選手を吹き飛ばすことさえ厭わない。

 チェルシーでの好例の1つとして、前回就任当初のエルナン・クレスポ処分がある。当時のアルゼンチン代表ストライカーは、夏のホリデーからの帰国がモウリーニョ体制の始動開始に間に合わなかった。

 後日、監督室に呼ばれたクレスポは、フライトの問題などを理由に言い訳はしても、反省の色を見せなかったとされる。プレシーズン開始から間もない7月半ばには、ACミランへのクレスポ放出が決まった。

 8億円台の年俸の3分の2をチェルシーが負担したレンタル移籍という事実が、実質的な「クレスポ追放」を物語る。その5日後には、当時としてはクラブ史上最高の移籍金2400万ポンド(約41億円)で、ドログバがチェルシーに迎え入れられた。当時26歳のフランク・ランパードは、「強烈な見せしめだった」と言っていた。

Manchester City v Chelsea - Premier League

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