選手の心をつかむ! モウリーニョ流人心掌握術

2014年09月26日

サッカーエンタメ最前線

アメと鞭を使い分ける

 そうかと思えば、モウリーニョはクラシックギター奏者の如く、ソフトな音色で語りかけもする。クレスポ処分に先立つ、ジョー・コールの一件を例に挙げよう。

 ウェストハムのユースで育成された国産チャンスメイカーは、モウリーニョの下で「トリックの玉手箱」から「仕事のできるテクニシャン」へと脱皮した。成長の過程では、指揮官に公の場で非難されたこともある。

 2004年10月のリバプール戦後には、途中出場のJ・コールが両軍を通じて唯一の得点を挙げていたにもかかわらず、「ジョーはゴールを決めて消えた。我々は守備の局面に10人で対処しなければならなかった」と、モウリーニョは手厳しかった。

 だが、それはいわゆる愛の鞭。舞台裏では就任が決まった直後から気遣いを見せていた。正式な始動開始を前に、EURO2004に備えるイングランド代表のチームホテルを訪ねたモウリーニョは、代表入りしていたチェルシーの4選手と面会。新監督としての挨拶と、否定的な意味で「多国籍軍団」と言われていたチームにあって、国産の核としての期待を伝えるための訪問だった。

 しかし、J・コールにだけは個人的にも話しかけた。移籍1年目の前シーズンに定位置を取れなかったMFを勇気づける狙いがあったに違いない。

 当時22歳だったJ・コールは、モウリーニョから「君のプレースタイルは理解している。能力を引き出せるとも思っている。ポルトでテクニックのある選手のチームへの貢献度を高めた経験もある。君とも力を合わせて同じ成功を再現したい」と言われたことを、2010年6月、ウェストハムでユース時代の恩師トニー・カーの功労試合が行われた際に、指導者から受けた影響の一例として明かしてくれた。

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