一人ひとりを見ること。Jクラブの育成組織と渡り合うFC多摩から学ぶ個の育成術

2015年06月08日

コラム

“町クラブ”とはいえジュニア年代でもさまざまな地域から通う選手が多い

 根本には、多摩市のサッカーを盛り上げていきたいという気持ちがあり、新たにジュニアカテゴリーを創設し地域単位でベースアップを図ろうとした平林監督だが、ジュニアユースが実績を残している影響もあるのか、小学生のうちから少し離れた地域でも時間をかけて通ってくる選手が多く、ジュニアチームも在籍の半分以上が他市から通ってくる選手が占めているのが現状だという。

「前いたチームが週に一回しか練習がなくて。もっと上に行きたいと思って通っています」

 そう答えてくれたのは武蔵村山市から電車で1時間以上かけて通う戸住駿太くん(小学5年生)。自分でチームを探してFC多摩に入部。中学生になったらFC多摩のジュニアユースに入りたいと考えている。

「前のチームでは自分は結構の上の方にいたんだけど、試合がなくて。それで自分よりうまい人がいる環境でうまくなりたいと思っていて、お父さんが探してくれたFC多摩に入りました」

 こちらは相模原市から電車で約1時間かけて通う下川蓮くん(小学5年生)。小学生にとってこの距離を通うのは負担もあるだろうが、休日などは両親に送ってもらう(車だと30分)などのサポートを受けて通っている。こういった状況に対して平林監督は、次のように話す。

「5年生くらいから町田や相模原、国立の先の方からモノレールで通ってくる子もいます。小学生のころから学校が終わってすぐ通うっていうのは大変だろうから、中学生になってから入れば良いんじゃない? とは言うんですが……。
ジュニアの頃から熱心にやりたい、という子が多摩市内の子より他の地域の子のほうが多いというのが現状です。

 そういった現状の多摩市のサッカーのベースアップを図っていきたいというのは理想としてありますが、うちを選んで来てもらっている以上は卒業するまで責任を持って指導するのは当然として、うまくて強い選手なって卒業してもらっています」

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