女子サッカーをただのブームで終わらせないために━━。もう一度考えたい女子サッカーの育成環境

2015年07月17日

コラム

環境が良いとは言えないなかでも年々選手のレベルは上がっている

――クラブのことに話を戻しますが、アカデミーに入団する選手は、どのエリアまでを範囲だと認識されていますか?

 学校の部活ではないので、練習を始めるのは18時過ぎになります。だから、クラブに通える範囲は周辺エリアになります。現状を伝えると、アカデミーの所属選手は相模原、厚木、座間、海老名など近隣の町から通っている子供がほとんどです。横浜や横須賀の選手もいますが、少数です。

――ちなみに、神奈川県外からもセレクションは受けにくるのでしょうか。そして、レベルは年々上がっているのでしょうか。

 うちのセレクションを受けに来る選手は遠くても東京です。ワールドカップ優勝以降、女子サッカーも人気になり、競技人口も増えているので、同時に年々レベルも上がっています。私はいろんなところへ視察に行きますが、下のカテゴリーになるほどおもしろい選手は多いと感じています。

 日本では、小学校の間は男子と一緒にプレーしますが、アメリカやドイツなどでは見られないことです。これは日本特有の育成環境ですし、おもしろい選手が多いのもそれが影響しているのかもしれません。

――女子サッカー選手の受け皿として、独自にされている活動を教えて下さい。

 どこのクラブもアカデミーからすべての選手が上のカテゴリーに昇格するわけでありません。だから、さまざまな高校や大学、クラブとは良好な関係を築く必要があります。
 
 そこで、うちのグラウンドで「ステラサマーカップ」という大会を主催し、全国の高校を招待して交流を深めています。

 トップチームのスカウティングも兼ねていますが、将来的にアカデミーの選手のための進路も間口を広げておかなければならい。そこも見据えての大会です。私たちは大切な選手を預かった以上、入口と出口はしっかり用意する義務がありますから。

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