女子サッカーをただのブームで終わらせないために━━。もう一度考えたい女子サッカーの育成環境

2015年07月17日

コラム

中学年代の環境が女子サッカー界の大きな課題

 でも当然、なでしこリーグに加盟するクラブだけでは県全体の選手たちを掌握しきれません。高校は部も増え、冬の全国選手権のような選手たちが目指せる大会の運営もきっちりなされています。だから、中学もJFAやなでしこリーグを中心にサポートすることが急務です。全国規模の大会を運営し、選手たちの目標を作れば中学でもサッカーを続ける女子が増えるはずです。

――アカデミー以外に、中学年代で何か具体的なアプローチをしていますか。

 神奈川の教育委員会と話し合いの場を設け、今はバックアップをしてもらっています。私たちもスタッフが限られているので、中学校までは手が回っていませんが、小学校については巡回指導をしてボールに触れられる機会を増やす努力はしています。

 うちのスポンサーの中には相模女子大学がいます。中高一貫教育をされているので、そのカテゴライズで連携をはかりましょうとミーティングを重ねている最中です。

 女子は小学校までは男子と一緒にプレーをできますが、中学校では男子の部に入れないから環境がなくて辞めていく選手もたくさんいる。本当に悩みの種です。私たちのようなクラブに入団できるのは一部。中学年代のサッカー環境は大きな問題です。

――サッカー界全体として、何か取り組んでいることはあるのでしょうか。

 将来的に、JFAは女子の競技者人口30万人を目指しています。それを達成するためには環境づくりがカギを握ることは間違いありません。現状では、全日本女子ユース(Uー15)サッカー選手権大会という全国につながる大会も定着しています。さらに大会の整備で言えば、なでしこリーグ3部までに所属するクラブのアカデミーで競い合うプリンセスリーグもやっています。

 うちのアカデミーは2チームとも社会人リーグに登録し、県リーグで試合経験を積んでいます。少しずつですが、クラブ数も増えていますし、環境面も改善しています。

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