日本サッカー界に欠けている「正しい守備の文化」。早急に改善すべき3つの“過ち”

2015年07月22日

コラム

日本の守備でよく見られる“3つ”の問題点
 
 そこには誤った守備の文化が厳然と横たわっているように思えてなりません。中でも、特に気になるのが次の3点です。

【日本の守備でよく見られる問題点】
①各ポジション(DF、MF、FW)の仕事(役割)が不明瞭
②“スライディング”の多用
③ポジショニングを決める上での基準が「相手選手の位置」とされている

 ①の実例(具体的な根拠)として、先に触れた2010年の天皇杯決勝において、「本来、加地(SB)に対するプレスはFWの仕事。しかしこのセオリーに反してMFが出て行く」と書いたように(また、これまでフットボール批評issue01や同02に記した事例が示す通り)、こうした鉄則に反する動きの頻発はやはり、各ポジションの仕事(役割)が明確にされていない証と言えるのではないでしょうか。同時に、ポジション(DF、MF、FW)別の戦術トレーニングが不足しているのではないかという疑問が浮かんできます。

 その上で、今季のJ1リーグ・ファーストステージから敢えて1場面を選んで例示すれば、第9節の鹿島vs甲府。この試合の前半36分53秒に見たシーンは、件の「ミッドフィールドの重要性」を考える上でも、実に有益な分析対象になるはずです。

 ちなみにこれから挙げるシーンは、スカパー!のハイライト映像でも観られるのでぜひご覧になっていただきたい。参考までにハイライト映像のリンク先と該当時間も併記しています。


■1stステージ第9節
鹿島アントラーズvsヴァンフォーレ甲府
36:53~(スカパー!ハイライトの1:05~)
ハイライトのリンク先はこちら


 鹿島がカウンターで攻める場面。甲府のMF(4番・山本)はボール保持者に対するマークを途中で止める。一方で、甲府MF(14番・堀米)は最終ラインにまで戻るという不可解な動きにより、ボール保持者を完全にフリーにし、シュートを打つために十分な時間を与えている。
 
 なお、この甲府の中盤については、第6節の鳥栖戦でも同様の場面があり、ここではダメ押しとなる3点目を献上しています。

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