親のスタンスで大切なのは子どもの「今」をしっかり見てあげること

2015年07月24日

コラム

子どもは自分自身の投影

 試合や練習でよく見る光景があります。それは、親が自分の子どもを呼び出して指示を与えたり、大きな声で子どもを叱ったりする姿です。当然、子どもは指導者の指示を聞いているはずですから、それが親の指示と異なっていれば混乱しますし、緊張します。

 さらに、その状況を見聞きしている周りの選手たちも感化され、チーム全体に悪影響をもたらすことがあります。そんなとき、子どもたちがハーフタイムや試合後にベンチで何と言っているかご存じですか?

「○○のお父さんは、いつも勝手な指示を出してくる」
「○○のお母さんは、いつも怒っている」
「あっちサイドは自分の親がいて、いろいろ言われるから嫌だ」
 
 じつは、子どもたちも、親から指示されることが心地良くないものだとわかっているのです。試合や練習でピッチ内に入ってくる親はいませんが、言葉を入れてくる親はいます。
 
 グラウンドは選手たちにとって大切な場所であり、子どもの発見や気づき、成長を大人が見守る場でもあります。親として、自分の子どもの現実が受け入れられず、口を出したい気持ちはわかりますが、ぐっと抑えて見守りましょう。
 
 子どもの成長過程を受け入れつつ、親も一緒に成長していきたいものです。周囲と比べるのではなく、自分の子どもがその中でどのように成長していくのかを見守るのです。

 例えば、家庭内においても、親が子どもの行動を先回りして指示するのではなく、少し待ってみる。あるいは、自分で決断させる機会を作ってみる。これらによって、子ども自身はもちろん、親も変わっていくのです。
 
 子どもの成長には、親である大人が大きく関わっていることを忘れてはなりません。子どもはまさに自分自身の投影なのです。


プロフィール
末本 亮太
(すえもと りょうた)
NPO法人大豆戸FC理事。1978年、東京都生まれ。
神奈川県立横浜翠嵐高校、早稲田大学教育学部で学業と平行してサッカーに打ち込む。大学卒業後は一般企業に就職し、新入社員とアルバイトに対する人材育成が評価される。現在、横浜市港北区大豆戸町にあるNPO法人 大豆戸フットボールクラブの理事を務める。自身も4歳と2歳の男の子を持ち育児に奮闘中。「ちょっと自慢できる、サッカーを通じて出会うはずのない感動、人、未来を創造し、非日常を提供すること」をミッションに掲げ、精力的に活動している。また小学生を連れての被災地訪問などNPO団体として、サッカーだけにとどまらない活動も行っており、将来を担う子どもたちの育成に力を注いでいる。


vol36

⇒普通の子どもたちが通う、横浜のNPO法人サッカークラブ「大豆戸(まめど)FC」。その指導者として8年以上現場を見てきた末本亮太氏が監修する本書は、子どもがサッカーを始めるときに「親は何をすべきであり、何をすべきでないのか」、これからサッカーを続けていくうえで「どんな接し方をすれば子どもは伸びるのか」をひも解きます。ジュニアサッカーの今を知ることができる一冊です。

 

【サッカー少年の親になる!】
出版社:メディア・パル


 

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